ヤクルト・奥川涙の復活勝利 恩師は満点評価「“持ってる”子なので、苦労は何倍にもなって返ってくる」
◇交流戦 ヤクルト5-3オリックス(2024年6月14日 京セラD) 涙の980日ぶり復活勝利だ。ヤクルト・奥川恭伸投手(23)が14日、オリックス戦で5回7安打1失点に抑え、21年10月8日の阪神戦以来の白星を手にした。21年に9勝を挙げ日本一に貢献して以降、故障の連続で1軍登板は22年3月29日の巨人戦以来808日ぶり。プロ通算10勝目となる再出発の白星に男泣きした。 奥川の星稜(石川)時代の監督で、現在は同校の社会科教諭の林和成氏(48)が、復活勝利に祝福のメッセージを寄せた。 ◆ ◆ ◆ ホームランも打たれたし、ピンチも多く背負いました。抜けるような良くない球もありましたが、今日はマウンドに立てたことだけで100点満点だと思います。 彼はコントロールピッチャー。高校時代から状態が良くない時でも一つ、二つ使えるボールを必ず探し出す。「術」で抑えられる投手。今日に関しては真っすぐに威力がありましたし逆球もありましたが、それも結果的に良かったですね。初球の150キロを見て、ホッとしました。日本シリーズで好投し、DH制で投球に集中することができる京セラドーム。そこを復帰の舞台に選んでくれた高津監督、球団に感謝したいですし、彼もそう感じていることでしょう。 最後に直接会ったのは23年の1月5日。故障もあったので、こちらは状態や調子のことばかりが気になりました。そんな心配にも彼は「自分自身、楽しみにしているんです」と変わらない笑顔で返してくれました。年齢的に言えば、まだ大卒1年目。“持ってる”子なので、今まで苦労した分、それが何倍にもなって返ってくると思います。それだけの投手だと信じています。