野村HD社長が謝罪、「ご心配かけ申し訳ない」-相場操縦処分勧告
(ブルームバーグ): 野村ホールディングス(HD)の奥田健太郎社長は2日、傘下の野村証券での国債取引を巡る相場操縦の疑いに関して「皆さまには大変ご心配をおかけし、申し訳ございませんでした」と謝罪した。
同日、都内で開かれた「金融ニッポン」トップ・シンポジウム(日本経済新聞社主催)の場で述べた。証券取引等監視委員会が9月25日、金融商品取引法(相場操縦)に違反する行為があったとして野村証への課徴金納付命令を金融庁に勧告して以来、同問題で奥田社長が公の場で発言するのは初めて。
監視委の発表によると、野村証のトレーダーが2021年3月、国債の先物取引で実際に取引する意図はなく、「見せ玉」と呼ばれる大量の注文を出して利益を得たことが金商法違反に当たるという。
起債の主幹事から野村証を外す動きが相次ぐなど、監視委の処分勧告による影響は事業面に及んでいる。
国債の相場操縦を巡っては、18年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対し、19年には米シティグループ傘下の金融機関に対して、それぞれ課徴金納付命令が出された。金融庁から処分を受ければ、国債取引の応札などにも影響する可能性がある。
監視委の発表を受けて野村証は「このような事態が起きたことを厳粛に受け止め、お客さまをはじめ、関係する皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを心よりおわび申し上げる」などとするコメントを発表していた。
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Takashi Nakamichi