【博覧会協会の思惑】完成目標に「間に合わない」海外パビリオンの現況 建設業者が決まらない国に「簡易施設」への計画変更を促したい協会【万博】
来年の大阪・関西万博で独自パビリオンを建設する複数の参加国が、協会が設定した建物の完成目標に間に合わない見通しであることが分かりました。 【動画で見る】完成目標に「間に合わない」海外パビリオンの現況 建設業者が決まらない国に「簡易施設」への計画変更を促したい協会【万博】 大阪・関西万博の会場となる夢洲では、ことし10月以降、会場内の整備工事やパビリオンの内装工事などが本格化し、大型重機を使った工事が難しくなるとされています。そこで、博覧会協会は、独自でパビリオンを出展する55の参加国に対してことし10月中旬ごろまでに建物の建設を終えるよう呼びかけています。 しかし現在、およそ20カ国の建設業者が決まっておらず、複数の各国関係者によると、期限までに建物の建設を終えることが難しい見通しだということです。
■「協会は10月の目標を無理と分かった上で、設定しているのではないか」と関係者
ことし4月に着工予定のインドネシアの担当者は、「10月に完成しているのは建物の8割ほど」と話しています。 複数の国を担当する関係者は「担当している国で10月に間に合いそうな国はない。協会は10月の目標を無理と分かった上で、設定しているのではないか。建設が進んでいる国はこの期限については気にしておらず、当初立てた完成までのスケジュールに沿って進めている」と話しています。
■「タイプX」への計画変更を促したい博覧会協会の「思惑」
海外パビリオンの建設が遅れていることを受けて、博覧会協会は、建設業者が決まっていない国に対して、協会が簡易の施設を建設して引き渡す「タイプX」への変更を提案していますが、協会幹部は「外交上失礼にあたるため建設業者が決まっていない国に対してタイプXの変更を強制することはできない」と語っていました。 独自パビリオンの完成目標を明示することで、建設業者が決まっていない国に計画変更の判断を促したいという思惑があったとみられます。
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