人気VTuberが出産を報告、ホロライブはVRChatで大型企画を開催 “異例続き”なバーチャル業界の一週間
ホロライブで大型『VRChat』企画が開催 宝鐘マリンも単独配信にて上陸
ハロウィンに合わせて、ホロライブでユニークな企画が実施された。「ホロライブEnglish」内ユニット・Justice主催の、VRChat配信企画「Justice's Haunted Investigation」だ。ホロライブ、ホロライブEnglish、ホロライブインドネシアから、約20名ものタレントが参加した大型コラボ企画である。 【画像】同僚へ出産を報告する人気VTuber・花奏かのん 企画内容を端的に説明すれば、『VRChat』に設けられた特設ワールドを探索し、謎解きとアイテム収集をおこなうゲームバラエティだ。6月にデビューしたての「Justice」メンバーが先輩たちとコラボをするきっかけも兼ねた本企画だが、これだけのホロライブタレントが『VRChat』に集結したことに驚かされる。これまで積み重ねてきたホロライブEnglishの『VRChat』活用と、ホロライブプロダクション全体の『VRChat』への興味が、絶妙なタイミングで合流した事例と言えるだろうか。 そのきっかけを生んだひとりであろうReGLOSSの火威青も、ハロウィンのソロ配信では市販アバターと衣服を組み合わせる「アバター改変」文化を紹介しており、『VRChat』カルチャーの発信に引き続き熱心な印象だ。個人からはエンドユーザーにより近いカルチャーを紹介しつつ、ホロライブプロダクションのタレントたちによって一斉に「VRChatとはなにか」がファンに伝えられる、稀有なハロウィンとなった。 そして、11月4日には宝鐘マリンが『VRChat』に上陸した。平時より使っている3Dモデルはもちろん、SDモデル「宝鐘クマリン」の3Dモデルまでお披露目し、さらに動画シリーズ「ホロのぐらふぃてぃ」に登場するホロライブ事務所もワールドとして見せるなど、力の入れようがうかがえる配信を仕掛けている。『VRChat』へ急接近するホロライブの動向に、いよいよ目を離せない状況だ。 ■犬山たまきが100万人登録達成 ななしいんく・花奏かのんは出産を報告 VTuber業界では、犬山たまき&佃煮のりおがチャンネル登録者100万人の大台に到達した。2018年より活動を続け、歌唱力とトーク力で活躍。VTuber事務所「のりプロ」も設立するなど、VTuberブーム初期から歩み続け、たしかな地位を確立したタレントである。のりプロも所属タレントは着実に増員しており、業界内でもたしかな地位を築きつつある。どちらともさらなる活躍に期待したい。 先日バーチャルストリーマーとして乾伸一郎が加入したプロeスポーツチーム・REJECTには、ろぜっくぴん、折咲もしゅ、玉餅かずよ、かしわねこの、合計4名のVTuberが新たにストリーマー枠として加入した。一気に増員したことにより、REJECTにはこれで9名のVTuberが所属する形となった。ここまでくるともはやVTuberグループめいてきたが、バーチャルタレントの活躍の場はバーチャルに特化した事務所だけではないことを示す事例として紹介したい。 業界的にレア事例がもうひとつ。ななしいんく所属の花奏かのんが、結婚および出産を報告したというニュースだ。報告動画によれば、2023年1月のブイアパ解散のタイミングで入籍し、12月に出産したとのことで、それまで1年ほどは公表していなかった形だ。 バーチャルタレントの結婚・出産報告そのものにはいくつか前例があるものの、現役の企業所属タレントでは非常に限られている。名義・アバターを維持したままの独立や転籍、さらには引退撤回も許容してきた「ななしいんく」だからこそ、叶った公表だったと言えるだろう。とはいえ、こうした発表自体は人間として当然の営みでもあるので、むしろこれがスタンダードとなることを願っていくべきだろう。
浅田カズラ