加藤紗希×豊島晴香の長編第2作「わたのはらぞこ」製作、舞台は長野県上田市
振付師・俳優の加藤紗希と俳優の豊島晴香による創作ユニット「点と」の長編映画第2作「わたのはらぞこ」の製作が決定。本日4月8日にクラウドファンディングがスタートし、2025年に公開される予定だ。 【画像】「わたのはらぞこ」ビジュアル(他14件) 長野県上田市に実在する映画館・上田映劇や、文化施設・犀の角などの活動をきっかけに製作された本作。東京での生活に苦しさを感じた主人公ヨシノは、“休憩”のため犀の角を訪れる。数年前に8mものクジラの化石が発見された街を歩きながら、ヨシノは不思議な出来事に次々と巻き込まれていくのだった。神田朱未がヨシノ役で主演を務め、加藤、豊島、釜口恵太、本荘澪、湯川紋子、高羽快が出演する。音楽と音響デザインを□□□の三浦康嗣が担当した。 クラウドファンディングには3000円から50万円まで、18の支援コースが用意された。支援者はコースによって、試写会への参加権、脚本のPDFデータ、「点と」の長編第1作「距ててて」の非売品DVD、ロゴ入りTシャツ、サコッシュなど、さまざまなリターンを受け取ることができる。 神田は「今回はどんな役でみんなが登場するのか、上田という街が点との2人によってどう描かれるのか、撮影がとても楽しみです。皆様もどうぞ楽しみにしていてください!」とつづった。三浦、犀の角の代表・荒井洋文、上田映劇 / うえだ子どもシネマクラブの直井恵によるコメントは下記の通り。 ※高羽快の高は、はしご高が正式表記 ■ 三浦康嗣 コメント 映画音楽を担当するのは、振り返ってみると、自分でも意外と今回が初めてでした。 「地味ミュージカル」監督の加藤さんからそのキーワードを聞いた際、音、すなわち現実はもちろん、空想、回想、を含めた様々なレイヤーで鳴った喋り声や自然音や物音たち。それらと意図して設計され鳴った音楽との隔たりについて思いを巡らせました。 先ほど映画「音楽」と書きましたが、今作に関しては、そんなふうに音と音楽の境目を曖昧にする係として、いわゆる音楽に限らず、音声、音効も含めた音全般を担当する予定です。 ■ 神田朱未 コメント 上田には2回足を運びました。 1回目は「距ててて」の上映の時。2回目は上田で映画を撮るためのリサーチで。 加藤さん、豊島さんの作る作品と、上田で出会った皆さん(そして場そのもの)の共通する所、そして深く混じり合っているところは、どこまでも「その人がその人らしく、ただそこに存在すること」にあるような気がします。 豊島さんの脚本は無理がありません。 それと同時に自分がちょっと「ここダメだよなぁ」なんて思っているところを、すっと掬い上げて「そこが愛おしいポイントだよー」と、光を当ててくれます。そして加藤さんがすっごい笑顔で「それ最高~」と言ってくれます。 2人のその軽やかで優しい目線が私は大好きです。上田で出会った皆さんからも同じものを感じました。そしてその目線や空気が、今回の作品にもたっぷり反映されていると思います。それは少し疲れていた私の心もひっそりと癒してくれました。 数日前、久しぶりにみんなと会って読み合わせをした時、「距ててて」の撮影から3年ほどの月日を経て、共有していない各々の経験を、映画を共に創作することで持ちよることができる幸せを感じました。 今回はどんな役でみんなが登場するのか、上田という街が点との2人によってどう描かれるのか、撮影がとても楽しみです。皆様もどうぞ楽しみにしていてください! ■ 荒井洋文(犀の角代表)コメント 上田でアカボウクジラの化石が発見されたというニュースは、人類の歴史を超えて、宇宙や地球の成り立ちのレベルから物事を見つめ直していくことを、まさに上田から始めるように私たちに示唆しているように思います。 このトピックをなんとか作品に昇華したいと思っていたので、「点と」のお二人からこの映画の企画を聞いたとき、心の底から嬉しかったです。 さらには化石のモチーフが今まさに上田の街で起きていることとリンクしていく設定が最高すぎてたまりません。 上映が今から楽しみです。応援しています! ■ 直井恵(上田映劇・うえだ子どもシネマクラブ)コメント この街で起きている非日常的な日常や、言葉にならない感情を抱えて映画館や劇場に集まる子どもたちや私たちの姿を誰かに記憶しておいてもらいたいといつも思っていました。 そんな簡単にうまくいくとは思ってないけれど、でも大丈夫だよと言ってもらいたい。わかりやすい結末とかじゃなくていいから、このごちゃごちゃのままの私を受け止めてほしい。 いま上田で「映画を撮る」ということは、そんな感情を丸ごと受け止めてもらうことのような気がしてます。