放送作家引退で4月から始まる「鈴木おさむ」争奪戦 テレビ局が期待する“役割”とは
日刊スポーツの電子版は2月20日、「鈴木おさむ、キャリア最後の舞台『見たらただの変態ではないと分かってもらえる』小森隼&陣主演」の記事を配信した。同じ記事は21日付の紙面にも掲載。こちらの見出しは「鈴木おさむ氏舞台で有終」と変更されており、鈴木おさむ氏が3月いっぱいで放送作家を引退することを強調したものだった。 【写真】「真逆じゃん」大胆なベッドシーンが話題になった“最後の地上波連ドラ”と、今回の“引退舞台” 写真で見比べる ***
鈴木氏と言えば、『めちゃ×2イケてるッ!』、『SMAP×SMAP』を筆頭に、数々の人気番組を手がけてきたことで知られる。今もテレビ朝日系列で放送されているドラマ「離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-」の脚本を手がけ、大きな反響を呼んでいるのはご存知の通りだ。 引退となれば、悠々自適の生活が思い浮かぶ。ご本人は「もうワンチャレンジしたい」と意欲を見せているが、これは新しいことへの挑戦という意味合いが強いようだ。 ひょっとすると、鈴木氏はテレビ業界から離れた世界を目指しているのかもしれない。だが放送局側は出演者として猛烈なラブコールを送っているという。民放キー局でバラエティ番組の制作に携わるベテランスタッフが明かす。 「引退を表明してから、むしろ鈴木さんの露出は増えています。最近では2月18日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系列)や23日放送の『酒のツマミになる話』(フジ系列)に出演しました。また、1月に上梓した著書『仕事の辞め方』(幻冬舎)で“ソフト老害”について指摘。30代や40代でも若手のスタッフにとっては老害になり得ると警鐘を鳴らして話題になりました。そして極め付けは、ドラマ『離婚しない男』が話題を呼んでいることで、もはや“鈴木おさむ祭り”と呼んでも差し支えない状況です」
テリー伊藤の“後継者”
これほどの知名度を持つ“元放送作家”を、そのまま引退させる手はない、とテレビ局は判断しているようだ。 「まずはワイドショーが関心を示しています。レギュラーのコメンテーターとしては、打ってつけでしょう。芸能界の裏も表も知り抜いた、テレビ業界出身のコメンテーターとしてはテリー伊藤さんが有名ですが、鈴木さんも同じ役割を果たしてくれると思います。さらにバラエティ番組も興味を持っています。MCを務めるお笑い芸人の横に立ってもらい、“ご意見番”を務めてもらうわけです。様々なバラエティ番組に出演している、元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏のイメージです」(同・スタッフ) ご本人は「やりたいことをやる」ために引退すると説明しているのだから、タレント扱いは不本意かもしれない。また、テレビ業界の中には様々な意見があるようだ。 「業界では“神様”に等しい存在でした。つまり鈴木さんは文字通りの“権力側”でしたから、若いディレクターや放送作家の中には煙たがる人もいるようです。しかしそれを自覚し、ご自身で“ソフト老害”について語るところが鈴木さんの真骨頂でしょう。同世代のプロデューサーやディレクターには“おさむ信者”が少なくありません。『離婚しない男』でも、攻めた脚本に過激な演出が加わり、ドラマというよりはバラエティ的な面白さ、壮大なコントを楽しむような感覚が人気を呼びました。この才能をテレビから引退させるわけにはいかないと考えるスタッフが多い理由です」(同・スタッフ)