円売り圧力が再燃、米財務長官発言で日本当局の継続的介入を疑問視
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、22年の介入後はきれいに円高が進んだが、今回はそれは難しいのではないかとみている。「当時は米利上げ打ち止め観測があり、今と違って金融政策の先行きが見えない感じではなかった。今は先行きが見通しづらい」と話し、「年内に再び160円を試すことはあり得る」と言う。
原油価格が上昇すれば、日本の貿易赤字は拡大する可能性がある。日本の季節調整済み貿易収支は、ほぼ3年連続で赤字だ。円にはさまざまな災害や危機の際に安全通貨として買われた歴史があるが、今年は中東での軍事的緊張の高まりやそれに伴うエネルギー価格の上昇がむしろ上値の圧迫要因となっており、これまでのような値動きにはなっていない。
原油高騰は円安を加速する弱点、貿易赤字と米利下げ後退のスパイラル
--取材協力:酒井大輔.
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Masaki Kondo, Saburo Funabiki