松盆栽の全国一産地・高松市の黒松盆栽の販路拡大を…米輸出求め池田知事と大西市長が国に要望書【香川】
岡山放送
日本の松盆栽の人気が海外で高まる中、全国一の産地・高松市では販路拡大につなげようと新たな動きが始まっています。目指す市場は、あの大国です。 (河野有紀 記者) 「2020年10月にEUへの輸出が解禁となった黒松盆栽。今、新たな輸出先として注目されているのがアメリカです」 黒松のアメリカへの輸出を解禁するため、1月25日、香川県の池田知事と高松市の大西市長が、国に要望書を提出しました。要望書ではアメリカの輸出要件にある植物検疫の課題の解決に向けて協議を始めることなどを求めています。 (高松盆栽輸出振興会 尾路悟会長) 「アメリカの盆栽愛好家や業者から問い合わせが非常に多くなっている。それに応えなければならないと思って、県と市に要望をお願いした」 全国一の松盆栽の産地、高松市の鬼無地区・国分寺地区では、黒松のほか五葉松や真柏などが栽培されていますが、生産量の約半数を占めているのが黒松です。 このうち五葉松や真柏はすでに海外に出回っていましたが、黒松は病害虫への懸念から輸入を禁止している国が多く、台湾などのアジア圏が流通の中心でした。 しかし、県などの働きかけで2020年10月にEUへの輸出が解禁。高松盆栽輸出振興会によりますと、2022年度の全体の輸出量は約4000鉢で、前の年度と比べて約1500鉢増加しました。 また、EUでは50センチ前後のサイズで、1万円から2万円の黒松が人気を集めていますが、アメリカはより大きな90センチ前後のものを求めているということです。 (高松盆栽輸出振興会 尾路悟会長) 「大きなものは田んぼにはたくさんあるが、なかなか販売につながってない現状があるのでアメリカに大型の黒松が輸出できるとうれしい。(Q.価格は?)20万円前後のものが多い」 盆栽業界の未来にかかわる黒松の海外展開。国に要望書を提出した高松市の大西市長は「アメリカへの輸出解禁が1年でも早く開始されることを期待している」とコメントしています。
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