零下5度以下の日は50%引き 八ヶ岳山麓3市町村が「寒得サービス」開始
とても寒い日は街のレストランや温泉の料金を最大50%引き――。山梨と長野の八ヶ岳山麓3市町村でこんな風変わりな「寒得(サムトク)サービス」が今年もプレ開催で15日から始まりました。今年で16回目の冬の八ケ岳の名物イベント。住民や観光客が「寒くなれ」と“期待”する中、16日にさっそく酷寒を記録し、利用者には幸先の良い割引スタートになりました。 【写真】「田舎暮らし」の断片(2)発想の転換が「八ヶ岳山麓で趣味三昧」実現
北杜市・清里駅前の寒暖計で判定
寒さで割り引くサービスは、山梨県北杜市(ほくとし)と長野県富士見町、同原村の3市町村で実施。自治体間で以前から交流があり、閑散期の地域おこしの一環として実行委員会を設けて割引イベントを続けてきました。3自治体は八ヶ岳南部とJR中央本線の間で隣接し、国が認定した「八ヶ岳観光圏」を構成。日ごろから観光振興で協調しています。 割引は87店舗が参加し、2月1日から28日までが本開催期間。プレ開催として1月15日から1月末まで61店舗が参加して始まりました。割引の基準は「零下5度以下の日は50%引き」、「0度~零下5度未満は30%引き」、「5度~0度未満は10%引き」、「5度以上の日は割引なし」の4ランクを設定。北杜市の清里駅前にある特設寒暖計で午前10時に計測した温度で判定します。
16日は零下6.8度になり、さっそくの50%引き。主催者のホームページで「全店50%OFF」のお知らせが告知されました。割り引く店は飲食店を中心に温泉施設、ホテルなどさまざま。2月1日からの本開催以降では、牧場の乗馬料金の割引などもあります。 零下5度以下で半額になる商品は、ソフトクリームの360円が180円へ、ケーキ付きランチセット1700円が850円に、北杜市のオルゴール博物館の入館料800円は400円に。ホテルなど宿泊施設の場合は、チェックインの日の気温により次回利用可能な割引クーポンを提供します。宿泊費は数千円から1万円代もあるため、寒さが財布を温かくする効果も大きくなります。 実行委員会事務局の成田英幸(ひでゆき)さんは「県外から訪れる人たちはもちろん、地元の皆さんに好きな店や施設を探してもらって常連客が増えるのも大きな目的です」。冬期間に実施している星空観察のイベント「スターオーシャン八ヶ岳」も好評で、宿泊を伴う週末のイベントにはカップルや家族連れなど数十人の参加があります。「スキー場やスノーシューのツアーなども含め、寒さ割引でさらに楽しい八ヶ岳観光を」と実行委員会は期待しています。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説