会心の投てきがファウルも…北口榛花、今季4戦4勝で11連勝!「こんなのじゃ安心していられない」パリ五輪へ油断なし
◆陸上 WAコンチネンタルツアー ・ゴールド ゴールデン スパイク(28日、チェコ・オストラヴァ) 【写真】競技中とのギャップ!美しいドレス姿 陸上の女子やり投げで昨年の世界選手権を制した北口榛花(26)=JAL=が60メートル47をマークし、昨年大会に続き優勝した。今季4戦4勝、昨年7月16日から続く連勝記録を「11」に伸ばした。記録こそ伸びなかったが、雨天に対応するなど女王の強さを見せた。次戦は中5日で行われるチェコでの競技会に出場予定。確実に状態を上げパリ五輪は最高の状態で臨む。 競技開始の直前から雨が降り始めた悪条件に周りの選手が苦戦する中、北口が実力を証明した。全6投のうち60メートル超えは1度だけと記録としては物足りなかった。「久しぶりに自分が対応しきれなかった試合。最後に帳尻合わせもできないまま終わった」と納得しなかったが、終わってみれば頂点に立っていた。今季4戦4勝で、連勝記録は11に伸ばした。 1投目から観客の手拍子に後押しされて助走で勢いに乗った。「すごく気持ち良く走って、体もうまく適応できて投げられた」という会心の投てき。だが、投げ終えた後に「止まれなかった」と投てきラインをわずかに越えファウルとなった。この感触を求め、2投目以降も同じ投げ方をイメージ。3投目で60メートル47を出してトップに立った。得意の6投目はファウル。「リセットして仕切り直した方が良かった」と反省ばかりが口をつくが、今の北口には勝ち切る強さがある。 5日の水戸招待。強い風が吹き荒れ「横風や向かい風になることもあった」と難しい環境だった。やりは約30度の角度で投げることが良いとされ、北口はいつも会場につくと目印になるものを見つける。会場はスタンドが低く、雲一つない快晴で目印はなかった。だが、北口は適応し、最終6投目で記録を伸ばした。今大会も雨に対応。高い順応力が勝ち続けられる理由だ。 今大会は、2019年から拠点とするチェコでの一戦。周囲との力の差を見せつけて歓声を浴びた。連勝中でも「安心感は全然ない。こんなのじゃ安心していられない」と気を引き締めた。金メダル候補の北口が勝ち続けてパリ五輪を迎える。 ◆陸上コンチネンタルツアー 世界陸連(WA)主催の世界最高峰の競技会シリーズで、世界各地で行われる。競技レベルなどによって上からゴールド、シルバー、ブロンズ、チャレンジャーのランク付けがされている。ゴールドは今シーズン12大会のみ指定されているカテゴリーの高い試合。ダイヤモンドリーグに参戦する有力選手らが多く出場する。ゴールデンスパイク、日本では19日に行われたセイコー・ゴールデングランプリ(東京・国立競技場)がゴールドランク。
報知新聞社