<異修羅>リチア周辺に集まる“修羅”たち。一触即発な状況に「この爆発直前みたいな雰囲気最高!」と反響多数
修羅たちによる「最強」vs「最強」を描いた壮絶なバトルファンタジー「異修羅」(毎週水曜夜11:00-11:30ほか、TOKYO MXほか/ディズニープラスで見放題独占配信・YouTube・ABEMAで見逃し配信)。迫力のバトル描写はもちろんのこと、豪華キャスト陣が演じる個性溢れるキャラクターたちが織りなす重厚な人間ドラマも見どころの本作。2月7日に放送された「第六話」は、これまで紹介されてきた個性豊かな強者たちが多数登場し、それぞれの陣営に集まっていく「陣営集結」。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】カーテ(CV:雨宮天)を守り通そうとする姿が反響を呼んだレグネジィ(CV:森久保祥太郎) ■ソウジロウとユノ、久しぶりの登場 黄都二十九官のひとりである鎹のヒドウ(CV:岡本信彦)は、メイジ市を訪れた遠い鉤爪のユノ(CV:上田麗奈)と柳の剣のソウジロウ(CV:梶裕貴)のふたりに会う。強者との戦いを渇望し、勇者を決めるための上覧試合への参加を希望するソウジロウだが、ヒドウはそのためにはそれなりの武勲を上げる必要があると伝え、ソウジロウにリチア新公国を治める警めのタレン(CV:朴ロ美)の抹殺を命じる。そしてユノもまた、ナガン市壊滅の原因究明のため、ソウジロウに同行することに。 ソウジロウとユノが「第一話」以来となる久しぶりの登場。リチア関連の厄介事を一手に押し付けられている感のあるヒドウは、少しお疲れ気味のようにも見えるが、今回も仕事は完璧だ。上覧試合に出て強い敵と戦いたいというソウジロウの気持ちを利用したのはもちろん、ユノが隠し持っている強者への憎しみまでうっすらと察知したようにも思える。ユノがソウジロウに同行したいと願い出た際、ヒドウが思わず笑い声を漏らしたのは、ユノの秘めたる激情を感じ取ったからとも考えられるからだ。それでもユノがソウジロウの邪魔になると考えれば申し出を断るはずだが、それを許可したヒドウには、もしかするとその先の展開が見えているのかもしれない。ヒドウはすでに濫回凌轢ニヒロ(CV:高橋李依)という強力な戦力を向かわせているが、さらにソウジロウという第2の矢を放つあたり、抜け目がない。一方で、そんな思惑はどうでもいいとばかりに傍若無人なソウジロウの態度と、それを諌めるユノのやり取りも面白い。メイジに到るまでの旅の道中の描写はないものの、おそらくここにたどり着くまでにやや距離が縮まったのだと感じさせてくれる。ユノがソウジロウを憎んでいることに代わりはないかもしれないが、それでも少しほっこりとさせてくれるシーンだった。この二人のやり取りには、SNSでも「ここのやり取りまじで大好き」「ヒドウさん、本当に寛大な男」などの声が寄せられていた。 ■カーテを守り通そうとするレグネジィの姿に反響も リチア内部では、鵲のダカイ(CV:保志総一朗)による内通者探しが続いていた。ダカイは晴天のカーテ(CV:雨宮天)が記録している日記に目を付けるも、カーテのことを守ろうとする夕暉の翼レグネジィ(CV:森久保祥太郎)と対立。一触即発の状態となるも、「安心しろ、まだ何もするつもりはないさ」と、ダカイが身を引くことでことなきを得る。 ここではもちろん、ダカイとレグネジィの対峙が見どころ。同じ“修羅”として紹介されているだけに、視聴者からすれば同格のように見えるふたり。しかし、レグネジィは「この男なら どんな体勢からでも攻撃に移れる 僕の詞術よりも速く」と心中警戒し、ダカイは余裕たっぷりに「俺とやって勝てる気でいるのか?」と煽ってみせるなど、ダカイ優勢の雰囲気。実際、レグネジィは個の力というよりも、ワイバーン軍を従えたときの強さが特記戦力とされているため、ダカイを相手に一対一では分が悪いのだろう。しかしそんな相手を前にしても一歩も引かず、カーテを守り通そうとするレグネジィの姿はなんとも甲斐甲斐しく、ついつい応援したくなる。SNSでも「カーテちゃんを守るために必死なレグネジィ、良い」と、応援コメントが目立っていた。 ■「諜報員」のラナの上をいく「盗賊」のダカイ レグネジィとダカイが対峙していたそのころ、タレンとカーテはともに夕食を取っていた。レグネジィに危険なことをさせないで欲しいと頼むカーテに対して、レグネジィの任務はいつでも危険なものばかりだと告げ、リチアの現状について語るタレン。タレンやリチアの人々の平和を願うカーテは、戦争の足音がしのび寄る現状を憂いつつも、そのあとに訪れるであろう幸せな未来を信じるしかないのだった。 タレンとカーテの会話劇が繰り広げられる夕食シーンでは、カーテがレグネジィのことを「人々を救う天使」だと信じたがっていることや、自分をひろってくれたタレンを母親のように慕っていること、タレンはカーテを利用しつつも、少なからず親愛の情を感じていることなどが明らかになった。とくに印象的なのは、タレンのことを「お母さん」と呼びたいカーテと、それを拒むタレンの関係性だ。表向きの通り、レグネジィを動かすためだけにカーテを匿っているのが本当なのであれば、彼女の好きに「お母さん」と呼ばせて懐柔してしまうのが最善のはずだ。それを「実の母に悪い」との理由であえて距離を取っているのは、タレンなりに誠実でいようとする姿勢の表れなのか、あるいはカーテを争いに巻き込ませないためなのか、それとも自分が戦死してしまう可能性も考えてのことなのか。レグネジィとカーテの関係もそうだが、『異修羅』はこういった繊細な関係性の描写が随所に効いていて、よりいっそう人間ドラマの魅力を引き立たせてくれている。 ■エレア、キア、ラナ…それぞれのキャラクターの魅力が炸裂 エルフの村を出発し、黄都へ向かっていた赤い紙箋のエレア(CV:能登麻美子)と世界詞のキア(CV:悠木碧)のふたりは、途中でリチアに寄り道をする。エレアはここで、キアにつながる情報をもつ唯一の存在を暗殺するため、公園で内通者と落ち合う。その内通者とは、タレンの信頼も厚い諜報員、月嵐のラナ(CV:花守ゆみり)だった。ラナを殺すチャンスを伺うエレアだったが、思いがけずキアが合流したことで機会を失ってしまう。キアが寝たのち、再び暗殺を試みるエレアは、キアへのお土産を買いに出たラナを尾行。ところがそこに、すべてを調べ尽くしたダカイが登場し、ラナは内通者として馬車に乗せられてしまう。このままではラナを通して自分も捜査対象になってしまうと危惧したエレアは、眠りから覚めたキアに対し、「ラナが賊にさらわれました 助けにいかなくては」と告げるのだった。 “エレアの殺意”という背後に流れる緊張感はありつつも、表向きはなんとも微笑ましい交流が描かれたパート。初めの都会にテンションが上がるキアの無邪気っぷりをはじめ、馴染みの同僚でさえ殺そうとするエレアの冷徹さ、意外と面倒見がよくてお姉ちゃん気質なラナなど、それぞれのキャラクターの魅力が爆発した。とくにラナはこれまでに見せていなかった新たな一面とバックボーンが描かれており、彼女もまた平穏な暮らしを望むひとりの人間に過ぎないことが分かる。しかし、こうしてラナへの好感度が上がった瞬間、ダカイの登場によって雰囲気は一気に暗転する。ダカイの調査・推理能力は本当に凄まじく、優秀な諜報員であるはずのラナがまるで歯が立たないレベル。公式HPにあるダカイのキャラクター紹介には、彼のタレントについて「個人が抱える秘密や謀略を必ず暴き」という文言があるが、今回はまさにその本領をまざまざと見せつけた形と言える。彼が「剣士」ではなく「盗賊」であることにこだわる理由に納得させられたとともに、現時点では総合力No. 1なのではないかと思わせてくれた。そして、そんな「第六話」を締めくくるエレアのモノローグにも注目だ。ラナを連れて走る馬車を追いかけながら「可能だろうか キアの全能の詞術なら 一切の痕跡を残さずラナを殺し このリチアを脱出することが 可能だろうか」と、これまでにないほどに超シリアスな雰囲気で語るエレア。このセリフがあることで、次回へのワクワク度が爆増したのは間違いない。それほどの名芝居&名セリフだったように思う。 「第五話」までに登場した強者たちが一気に登場した「第六話」。これまでに紹介されてきた強者たちの多くがリチア周辺に集まってきたことで、いよいよ誰と誰が接触しても不思議ではない状況になってきた。SNSでは「この爆発直前みたいな雰囲気最高!」、「ダカイ、有能すぎる 有能でイケメン、ズルすぎる」など、さまざまな感想が見受けられた。さて次回「第七話」は2月13日(水)放送予定。ついに盛大に動き出した物語は、いったいどんな展開を迎えるのか? 期待して待とう。 ※朴ロ美のロは、王へんに路 ■文/岡本大介