ラグビー界で世界初の偉業!選手からレフェリーで五輪挑戦 ~幕別町出身・桑井亜乃さん~
連日熱戦が繰り広げられているパリ五輪。 7月28日(日)からは女子7人制ラグビー競技も始まり、そこで1人のどさんこレフェリーが、選手と審判の両方で五輪の舞台に立つという、ラグビー界で世界初の偉業を達成しました。 そのレフェリーは、十勝の幕別町出身・桑井亜乃さん34歳。 元日本代表選手としてプレーし、今は日本ラグビー協会の公認レフェリーを務めています。 選手経験者ならではの冷静な判断力と、鍛え抜かれた走力を活かして試合をコントロール。 パリオリンピックの舞台に立つことを目標に、この3年間並々ならぬ努力を重ねてきました。 (桑井亜乃さん)「パリ五輪のレフェリーに選ばれてホッとした。3年間思いを持ってやってきてたので、メンバーに選ばれたことは凄く嬉しかった」
桑井さんの子どもの頃からの夢は、オリンピック出場。 生まれ持った体格を活かし、高校時代は円盤投に没頭。 全国大会に出場するほどの実力者でした。 その後、大学の授業をキッカケに始めたラグビー。 めきめき頭角を現し、日本代表に選出されました。 そして、2016年のリオデジャネイロ五輪。 競技を始めてわずか4年で出場を果たすと、日本女子初トライをマーク! 多くの功績を残し2021年に現役を引退すると、すぐさまレフェリーとして再び五輪の舞台を目指すことを決意。 これまでラグビー界では、選手とレフェリーの両方でオリンピックを経験した人はおらず、それは世界初への挑戦でした。 (桑井亜乃さん)「私にとってオリンピックは特別な場所というか、1回行くともう一度行きたくなる場所。レフェリーを始めてオリンピック目指しますと言った時に、それは世界初だということも分かった上で始めていたし、私が世界初をもらいにいくぞという意気込みだった」
女子ラグビーのオリンピックレフェリーに選ばれるのは、世界でわずか11人。 桑井さんが選抜されるためには、とにかく実績を積むのみ。 経験豊富なライバルに囲まれる中、桑井さんの挑戦が始まりました。 まずは体力面を強化。 15人制と同じ広さのグラウンドを走り回る7人制ラグビー。 試合時間14分でのレフェリーの走行距離は2キロ以上に達し、時には選手を上回ることも。 これを1日に何試合も繰り返します。 現役時代に所属したチームの練習に参加して、日々、体力づくりに励みました。 さらに、直談判の末に男子の練習にも参加。 日本トップクラスのチームで技術やスピードの強化にも取り組みました。 同時に筋力トレーニングも行い、選手とぶつかる場面なども想定して瞬発力や持久力を鍛え抜きました。 その姿は、まさに現役アスリートと変わりません。