ノーヒットノーランを達成し、ファンの歓声に応える戸郷翔征（カメラ・相川　和寛）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　阪神０―１巨人（２４日・甲子園） 　巨人・戸郷翔征投手（２４）が２４日の阪神戦（甲子園）で自身初のノーヒットノーランを達成した。プロ野球８９人目、１０１度目。９回に四球を１つ与えたが、１２３球で抑えきった。巨人では２０１８年の山口俊以来１３人目、１７度目。甲子園に限れば、１９３６年９月２５日タイガース戦の沢村栄治以来、球団８８年ぶりの快挙だ。エースの快投でチームは引き分けを挟む連敗を４で止め、今季甲子園初勝利。首位・阪神とのゲーム差を２とし、交流戦前の勝率５割以上も確定した。 【選手名鑑】戸郷翔征の球歴、年俸 　＊　＊　＊　＊　＊ 　入念な準備が快挙に結びついた。開幕投手を務めた２４年シーズンだが「僕自身、エースだとまだ思ってない。それに達してない」と称号に甘えることはない。ブルペンでは１球１球投げるごとにデータを確認し、現状に満足はしなかった。 　準備のよさは私生活でも変わらない。「僕ね、収集癖があって、家に来た友達によく『お前の家はスーパーか！』って言われる」。“戸郷百貨店”には食器用洗剤や柔軟剤が何本もあり、歯ブラシは２０本ほど、水やお茶も３、４箱ストックがある。「クレジットカードのサインをしている時に、めっちゃ書きやすいボールペンに出会って」と１０本近くまとめ買いしたことも。「車のディフューザーとかめったになくならないのに（英高級香水ブランドの）ジョーマローンのやつが車に４個あるからね」とにっこり。「心配性でもあるんだけど気に入ったものがないと嫌だから」と常に完璧を求め続ける姿勢が、次なる快挙を呼ぶ。（巨人投手担当・水上　智恵）