汚物まみれのトイレに絶望→7年後に開発した”飾れる簡易トイレ”ようやく可視化された災害時のトイレ問題 能登半島地震・半年
■水がなくても処理できる 排泄物に触らずに処理できるだけでなく、水を使わないため断水した時にも使うことができます。 福岡市地域防災課 小川末男 課長 「生理現象としてトイレは必ずありますので、対策は必須だと思っています。発災後すぐ避難所で使えるように各校区に分散して配置する予定にしています」 ■家庭でも”トイレ”の備蓄を 一方、福岡市にある企業は、「日常生活の中に防災を取り入れてほしい」という思いからこんなグッズを開発しました。 ドリームホールディングス 藤村彩央里さん 「備える絵と書いて“備絵(そなえ)”と読みます」 一見すると普通のアートのようですが、フレームを外してみると・・・ ドリームホールディングス 藤村彩央里さん 「箱が2つ入っていまして、蓄便袋と用を足したあとに固める凝固剤。あとはお尻拭きにも使えるウエットティッシュが30回分入っています」 今回のプロジェクトには、桑田佳祐さんのCDジャケットのデザインを手掛けた人気アーティストなどが参加。 ■24種類のアート 中には・・・ 様々な場所に飾れる、24種類のアートを用意しました。 販売価格は、3万3000円~4万4000円(税込)です。 ドリームホールディングス 藤村彩央里さん 「飾りたくなったり贈り物としても贈りたくなったりするように描いていただいています」 ■開発者は熊本地震で絶望 今回、プロジェクトリーダーを務めた藤村さん。開発の背景には、2016年に起きた熊本地震での被災経験がありました。 ドリームホールディングス 藤村彩央里さん 「汚物まみれになっているトイレを目の当たりにして、目だけではなく臭いもひどいですし、これからどうなっちゃうんだろうっていう不安や絶望を感じました」 地震で自宅の一部が損壊した藤村さん。 家族と避難生活を続ける中で大きな不安を感じたのが、トイレの問題でした。 ■簡易トイレ 備蓄している人は2割 しかし、藤村さんたちが去年11月に20代~60代の男女1000人を対象に実施した調査では災害時の簡易トイレを備蓄している人は全体の2割ほどにとどまりました。
ドリームホールディングス 藤村彩央里さん 「防災リュックを備えているから大丈夫と思う方も増えてはいると思うんですけど、意外と盲点になっているのがトイレ問題。どういう災害が起こるかわからないと思うのでそれぞれが自分事化して備える意識を持っていただきたい」 被災者だけでなく支援する側にも大きな影響を与えるトイレの問題。 能登半島地震を教訓にした備えの見直しが必要となっています。
RKB毎日放送