「強いハート感じた」高橋尚成氏が山本由伸に賛辞 強烈ライナー好捕した次の球に外角直球選ぶ勇気
◆米大リーグ ナショナルズ1―2ドジャース(25日・米ワシントンDC=ナショナルズパーク) 山本はメジャー6戦目で一番のデキだったんじゃないかと思う。どの球種、というよりはバランスよく、終始ゲームを支配していた。97球中、7割以上の70球がストライク。開幕当初は長打を打たれたくないとか、少し慎重になりすぎているように見えたが今はゾーン内で勝負できている。 現状は直球、スプリット、カーブが軸。特にカーブが有効だと感じ取ったのだろう。効果的に使えているが「とりあえず」主に使う球種を3つに絞っているようにも見える。私もメジャーに行ったばかりの時には対打者というよりは変化球の曲がりの違いにアジャストするのに時間を要した。山本もその最中なのかもしれない。だとすれば、日本で駆使していたツーシームやカットボールなども打者の対応を見ながら徐々に増やしていくはず。そうすれば球数も減らせるようになる。 投球もそうだが、すごいのは5回の投直を捕球したことではなく、次打者への初球、外角低め真っすぐを投げきったことだ。確かに危ない打球だったが山本クラスの投手なら捕るだろうと思った。ただ、その残像は恐怖心に変わる。外角低め直球は踏み込まれればもう一度、投直になる可能性がある球だから、すっぽ抜けてもおかしくないのに、これ以上ないコースに決める。強いハートも感じたシーンだった。(野球評論家・高橋 尚成)
報知新聞社