【Playback箱根駅伝】第57回/6年ぶり順大に凱歌 日体大、大東大との三つ巴制す
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第57回箱根駅伝総合成績をチェック
第57回(1981年/昭和56年) 5区は日体大・大塚正美が順大・上田誠仁を抑え区間賞 谷口浩美が6区で快走
前回大会で日体大に連覇を阻まれた順大がライバルとの激戦を制して2年ぶり3回目の優勝を果たした。 順大は1区こそ9位と出遅れたが、2区で4位、3区で3位と着実に順位を上げる。4区では中島修三が区間賞の快走を見せて首位に浮上した。 1分55秒差で追う3位の日体大は前回に8区で区間新記録を出したエースの大塚正美を5区に起用。対する順大は2年連続区間賞の上田誠仁に3年連続の山上りを託した。 前半から飛ばした大塚は12kmで50秒差とし、難所の七曲りでは100m差に迫ったが、故障上がりの上田は「勝負は後半の下り」という指示を冷静に守り抜き、16kmで一気にスパート。最終的に57秒差で順大が往路を制した。 復路の前半では日体大が攻勢を仕掛ける。1991年の東京世界選手権マラソンで金メダルを獲得することになる谷口浩美がこの年の6区で箱根駅伝デビュー。谷口は区間賞で箱根の山を駆け下り、34秒差まで迫ると、7区の前田直樹で逆転して、9秒のリードを奪った。 逆転を許した順大だが、8区の中井良晴がチームを救う。福井・大野工高時代は陸上とスキーの二足のワラジをはいていた異色の長身選手の中井は大きなストライドを生かし、6km地点で日体大の藤井修を捉えて逆転。区間賞の走りで31秒差をつけて、戸塚中継所に飛び込んだ。 9区でも日体大との差を広げた順大はアンカーの小山輝夫が区間賞で締めて総合優勝。2位の日体大との差は1分28秒だった。 復路優勝は総合3位の大東大。9区で大隈広基が従来の記録を2分26秒更新する区間新の快走もあり、5時間34分11秒の復路新記録を樹立した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部