特別企画展の〝目玉〟に 三重・松阪出土の船形埴輪 東京国立博物館で23日から
新指定国宝、HPの紹介で唯一写真入り
東京国立博物館(東京都台東区)はこのほど、近く国宝に指定される三重県松阪市所有の船形埴輪(ふねがたはにわ)など「三重県宝塚一号墳出土埴輪」を23日から同館で開く特別企画で展示すると公表した。船形埴輪は同館の 専用ホームページ(HP) に唯一写真と共に紹介され、今回の「目玉」になっている。5月12日まで。 船形埴輪は2000(平成12)年4月に松阪市宝塚町の国史跡・宝塚1号墳(5世紀初め)から出土(公表)。王のつえや大刀(たち)などの立ち飾りを持つ日本最大級の全長約1.4メートルで全国的に話題になった。他の出土品を含めてその価値は古代史研究の世界で「圧倒的」で3月15日、国の文化審議会が全278点を国宝に指定するよう文部科学大臣に答申している。 同館は毎年、新たに国宝や重要文化財に指定されることになった美術工芸品を広く国民に鑑賞してもらうため、特別企画展「新指定国宝・重要文化財」を開催している。 今回は国宝指定の6件、重要文化財指定の36件がモニター展示や一部展示を含めて並ぶ予定という。 船形埴輪などは特別企画の専用HPの冒頭に写真入りで登場。それ以外のものは「主な展示作品」として6件だけ名称と製作年代、所有先などだけが掲載されている。 松阪市文化財センターは、写真入りでの紹介について「今回の目玉に位置付けられているということだと思う。関係者としてとてもうれしい」と喜んでいる。 国立博物館の開館時間は午前9時半から午後5時まで。毎週金、土曜日は同7時まで。休館日は5月7日(4月29、5月6日は開館)。観覧料は一般千円、大学生500円、高校以下と満18歳未満、満70歳以上は無料。
「割れ」分かるレプリカ 市文化財セで展示中
同センターでは現在、船形埴輪のレプリカを展示中。これは、出土したかけらを組み合わせて復元して型取りし作ったもので、かけらを組み合わせた「割れ」が分かる状態。本物はきれいに修復されて割れが見えないため「出土した時の様子が分かるのはレプリカだけで価値がある」と来館を呼び掛けている。 本物は5月末に東京国立博物館から返還され、今夏に同センターで特別展示する運び。