《ブラジル》二宮氏、USP法学部教授を引退 最終講義に200人参集 総勤歴37年、笑顔で「悔いなし」
サンパウロ大学(USP)法学部は8日、定年退職する二宮正人法学部教授の最終記念講義「サンパウロ大学法学部と日本」をサンパウロ市セー区の同大学大講堂にて行った。大講堂には二宮氏の節目の日を祝うため親族や友人、元生徒ら約200人が集った。 二宮氏は1948年に長野県で生まれ、54年に両親と共にブラジルへ移住。USP法学部・文学部日本語学科を卒業し、72年に日本国文部省国費留学生として東京大学大学院法学政治学研究科に留学した。帰国後、二宮正人弁護士事務所を設立し、86年にUSP法学部助教授、89年に教授となった。今年75歳となり定年退職を迎えた。 講義に先立って挨拶を行ったセルソ・フェルナンデス・カンピロンゴ法学部長は「二宮氏は学生時代から様々な活動で代表役を担ってこられた。教授になられてからも様々な場所で講義をし、伯国の学術活動に貢献されてきた。我々は優秀な教授である二宮氏のことを誇りに思っています」と話した。
グスターボ・フェラース・デ・カンポス・モナコ国際法・比較法学科長は「二宮氏は学生への教育だけでなく、大学間協定協力にも尽力してこられた。国際法や日本の法律に関する書籍を図書館に寄贈してくださり、本校の智の蓄積に尽力してくださった」と語った。 わざわざ日本から出席した永田恭介筑波大学学長は大学間協定事業やサンタクルス日本病院に携わる中で二宮氏と交友を深めたと話し、二宮氏から掛けられた「日本への留学生は将来、両国を繋ぐ強い架け橋になることを信じなさい」との言葉が今でも心に残っていると語った。 在サンパウロ総領事館の小室千帆首席領事が林禎二駐ブラジル日本国大使からのメッセージを代読し、ブラジルJICA事務所江口雅之所長が北岡伸一前JICA理事長と田中明彦現JICA理事長からのメッセージを代読した。 二宮氏の東京大学留学時代からの友人である小田博東京大学名誉教授も挨拶に立ち、二宮氏の人柄や二宮氏の恩師である故・星野英一教授について語った。