最終ラインが“危機的状況”の日本代表。「インドネシア代表の3バック」を攻略する方法を考える
2026年6月に開催するFIFAワールドカップ26の出場を目指すサッカー日本代表は、今年9月からアジア最終予選を戦っている。今月は15日(金)21:00(日本時間)よりインドネシア代表と、19日(火)21:00(日本時間)より中国代表と、いずれも敵地で対戦する予定で、グループリーグの戦いが一巡して2戦目に入る折り返しのタイミングになる。 日本は3勝1分の無敗でグループCの首位に立っているが、今回対戦するインドネシアは0勝3分1敗で5位、中国は1勝0分3敗で最下位となっており、比較的に楽勝ムードが漂っている。しかし、今の日本は決してベストな状態ではない。
ケガ人多数で「3バック」しかできない
今回も27名の選手を招集した日本代表だが、先月に引き続き負傷者が続出している。アーセナルのDF冨安健洋やバイエルンのDF伊藤洋輝は本来は招集されていたでのだろうが、先月に引き続きケガが理由で見送られている。加えて、フェイエノールトのFW上田綺世もケガで今回はメンバーから外れている。さらに、シント=トロイデンのDF谷口彰悟も負傷し、9日には代替メンバーとして柏レイソルのDF関根大輝を追加招集することが発表された。 上田綺世の代わりか、約1年ぶりの復帰となるセルティックのFW古橋亨梧に注目は集まっているが、危機的状況は先月同様に最終ラインで、FC町田ゼルビアのDF中山雄太も負傷中ゆえに左サイドバックを務められる人材がほぼ皆無な状態となっている。 相手によってシステムを変更できるチームとしてのポリバレントさは、日本代表の特長のひとつ。だが、今回も選択肢は3バックのシステムに限られてしまっている。由々しき事態にも思えるが、相手の戦い方や特徴を見るかぎり、今回に関しては3バックのほうが相性はいい。
「3バックの右」に求められるのは…
インドネシアは日本と同じく3-4-2-1という並び。そして目指す戦い方も日本と酷似している。攻撃時には両サイドが高い位置を取り、3-2-5という並びでサイドから相手の守備を切り崩そうと試みる。特に、主に左サイドのウイングを務めるオランダ出身のラグナー・オラットマングーンは、積極的に突破を狙ってくる。そのときに日本は誰がマークにつくのかが、ひとつのポイントとなる。3バックの右なのか、もしくはサイドを務める伊東純也や堂安律になるか、はっきりしておかないと失点の機会となり得る。 その守備のやり方にも関わるのだが、インドネシアは守備時には5-2-3という並びになるが、オラットマングーンは守備時には最終ラインではなく3人並ぶ前線にいる。それを踏まえると日本は3バックの右を務める選手が基本的にはマークにつくべきなのだが、攻撃時はサイドライン際に位置取ることも多いので、状況に応じたマークの受け渡しが必須になる。今回、3バックの右を務めるのは板倉滉になるのか、橋岡大樹なのか、高井幸大になるか、その他の選手になるのかはわからないが、ウイングバックを務める選手との連係は不可欠で大きなポイントとなり得る。