「サロパ 2023」香りのトレンドはお茶やエスプレッソなどの嗜好品 気軽に試せるディスカバリーセットが人気
日本最大級の香りの祭典である「サロン ド パルファン 2023(SALON DE PARFUM 2023以下、サロパ2023)」が10月12~17日、伊勢丹新宿本店で開催された。今年は、約50ブランドが出展。ニッチフレグランスの強化やディスカバリーセットの充実を図り、昨年過去最高を記録した売上高を更新した。三越伊勢丹の中尾絵莉第2MDグループ化粧品バイヤーに「サロパ2023」について聞いた。 【画像】「サロパ 2023」香りのトレンドはお茶やエスプレッソなどの嗜好品 気軽に試せるディスカバリーセットが人気
嗜好品がテーマの日常に紐づく香りが人気
好調だったのは、「ゲラン(GUERLAIN)」「ピーセブンチャコウスイ(P.SEVEN以下、ピーセブン)」「ジョー マローン ロンドン(JOE MALONE LONDON以下、ジョー マローン)」「リベルタパフューム(LIBERTA PERFUME)など。
初出展の「ピーセブン」は台湾発のお茶をベースにしたフレグランスで、“台湾茗香水”がよく売れた。中尾バイヤーは、「アジア圏の珍しい香水ブランドで台湾でしか販売しておらず、他にない香調で非常に人気が高かった」と話す。「リベルタパフューム」では“エスプレッソ”が好調。ラテを提供するなどユニークな体験が新客に響いた。「ジョー マローン」では、甘い香りの“ジンジャー ビスケット”、「ゲラン」では、“ラール エ ラ マティエール エクストレ”シリーズのウッディなタバコハニーの香りがよく動いた。「今年の香りのトレンドはグルマン(スイーツ)系、タバコ系、お茶系。『セルジュ・ルタンス(SERGE LUTENS)』の“エクランドゥフュメ”のようにお酒系も見られる」。お茶、コーヒー、スイーツ、タバコ、お酒と、嗜好品をテーマにした日常に紐づく香りが人気のようだ。
年々高まるニッチフレグランスの需要
今年は、新たな試みとして仏パリのアンヌ・ソフィー・ベハーゲルとアメリー・ブルジョワによるクリエイションスタジオ「フレア(FLAIR)」や京都のフレグランス専門店「ルシヤージュ(LE SILLAGE)」といったニッチフレグランスの集積コーナーを設置。「フレア」では、ベハーゲルとブルジョワが調香した10ブランドのフレグランスを紹介するなど、独自の編集で香水マニアにアピールした。「ルシアージュ」ではカウンセリングを行うなどパーソナライズなサービスを提供。いずれも終日、混雑が見られるなど反響が高かったと言う。「自分が知らない香りに出合える、自分に合う香水について、より深く知ることができるという声が多かった。ニッチフレグランスの需要は年々伸びている」。