「ボンピン」に「キルスイッチ」など、箱車のレーシングカーの必須アイテムとは? どうして装備が義務付けられているのでしょうか
3. ウインドウネット
続いては運転席の窓に付いているウインドウネット。サーキットではどんなに暑くても安全のため、運転席の窓を閉めるのが全国共通のルール。例外がこのウインドウネットを装着しているクルマで、横転時などにドライバーが車外へ放り出されるのを防ぎ、かつ外気を取り入れられるため熱中症の予防にも役立つ。最初は視界が少なからず遮られ違和感があるかもしれないが、ドアミラーに被らないよう取り付けるためすぐに慣れるはず。
4. キルスイッチ
レースカーの定番といえばキルスイッチも代表格だろう。トラブルを起こした際に火災などの二次災害を防止するため、ひねるだけですべての電源が供給されなくなる安全装備だ。位置は4点式シートベルトをした状態で手が届く範囲で、ドライバーが意識を失っているような状況のときに、車外からエンジンを停止させるケーブルキットもある。
5. 安全タンク
ナンバーなしのレースカーで使われるのはガソリンを入れる安全タンク。純正の燃料タンクは強い衝撃を受けると破損し、ガソリンが漏れて車両火を引き起こす危険性がある。そこでエラストマーという素材を用いると同時に、金属などのケースに入れて車室内に固定するのだ。なお公式レースには安全タンクの有効期限が定められており、取り付けを含め基準を満たしていなければ出走が認められない。
6. 消火器
最後は消火器で、レースのカテゴリーによっては義務化されており、目的は説明するまでもなく車両火災を早い段階で鎮火させるため。多くは自分でホルダーから外して操作するタイプだが、スイッチを押すだけで作動する自動消火システムもある。中身はパウダー/液体/ガスなど何種類かあり、いずれも定期的に点検を受けなければならない。
理由を理解して安全にレースやスポーツ走行を楽しもう
以上、レーシングカーが備えるべき装備のなかでも主要な6つのアイテムを挙げてみたが、これらはあくまで基本中の基本。サーキット走行初心者が最低限知っておきたいものだ。ほとんどが安全にレースを行うために必要な装備で、ほぼ間違いなく義務化されている。つまりこれらを装備していないとレースやサーキット走行への参加が認められないということになる。これらはなぜ装備する必要があるのか、理由まできっちりと理解したうえで準備し、レースやスポーツ走行を楽しみたいものだ。
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