名作「浪人街」に挑む丸山

SUPER EIGHTの丸山隆平（40）が、2025年2月から東京・新橋演舞場などで上演される舞台「浪人街」に主演することが19日、分かった。1928年の第1作以降も、計4回リメークされてきた傑作時代劇の舞台版。丸山は「不朽の名作を舞台という形でお届けできることは、僕としても幸福なこと」と意気込んでいる。 デビュー20周年を迎え、主演映画「金子差入店」（来年公開予定）が今月3日、第29回釜山国際映画祭でワールドプレミア上映されるなど、俳優としても充実一途の丸山が、傑作時代劇映画の舞台版に挑む。 「浪人街」は、脚本家の山上伊太郎が書き下ろし、1928年にマキノ正博監督で製作された「浪人街第一話　美しき獲物」から始まるサイレント映画シリーズ。時代劇映画で初めて数十名で行う〝集団殺陣〟のジャンルを切り開いて大ヒットし、同年の「キネマ旬報」ベストワンに選出され、高評価を得た。 その後も、マキノ監督のメガホンで3度、1990年にはマキノ監修、黒木和雄監督＆原田芳雄主演で4度目の映画化。時代劇では定番の〝忠義〟〝武士道〟などはなく、ただ己の感情のままに怒り戦う無名の浪人たちを描く視点は、現代においても新しく面白さを感じさせる。 さらに今回の舞台化に際し、一番の見どころとなる殺陣はもちろん、オリジナル映画版よりも個々の浪人にフォーカス。各々が抱えるものや感情の機微をより丁寧に描くことで人間ドラマとしての面白さを詰め込んだ。 丸山は「今回はまた新たなストーリーになるということで、さらにブラッシュアップして作り上げていけたら」と気合十分。「まず目指すところは、佇まいから説得力を出すこと。背景のあるお役なので、それに基づいた精神と身体作りをして武士らしさを出していきたい」と力を込める。 来年2月20日～3月16日に東京・新橋演舞場で上演後、愛知・御園座で同3月21～28日、京都・南座で4月2～10日に上演。令和の「浪人街」で新たなエンタテインメント時代劇を体現する。 ■物語

はみ出し者が集う飲み屋の新顔で浪人の源内（丸山）は、店の常連、お新（玄理）と幼なじみ。源内に惚れ込むお新は、きつく当たりながらも縁を切れずにいた。ある日、飲み屋の主人、藤兵衛（佐藤誓）が旗本の小幡伝太夫（神保悟志）らに盗みの冤罪をなすりつけられて殺される。父親同然だった藤兵衛の復讐のため、店の用心棒の赤牛（入野自由）と座敷に乗り込んだお新は捕らわれの身に。助けに行くも、赤牛の裏切りにあった源内は、お新が牛裂きの刑に処されると知り…。共演はほかに板尾創路（61）、藤野涼子（24）ら。