【フィリピン】日本勢、戦略車で開拓狙う 自動車ショー、過去最多の出展
フィリピンのマニラ首都圏パサイ市で24日、国内最大の自動車展示会「第9回フィリピン・インターナショナル・モーターショー(PIMS)」が開幕した。日本勢はアジア市場向けの戦略車やエコカーを展示した。参加メーカーは17社で過去最多。新車販売が過去最高に迫る勢いで推移していることを追い風に、需要の取り込みに動いている。 自動車展示会は2年に1度開催されている。大型展示施設「世界貿易センター・メトロマニラ」を会場に、フィリピン自動車工業会(CAMPI)が主催している。参加メーカーのうち日系が7社、中国系が5社、韓国系が3社などと続く。24~27日の期間中に来場者数は5万人が見込まれている。 三菱自動車はスポーツタイプ多目的車(SUV)のコンセプトカー「DSTコンセプト」を世界初公開した。東南アジア向けの戦略車の位置付けで、2025年にも投入する。7人乗りでさまざまな路面状況に対応できる運転モードを搭載する。 プレゼンテーションで登壇したフィリピン法人ミツビシ・モーターズ・フィリピンズ(MMPC)の今枝律社長兼最高経営責任者(CEO)は「各地のライフスタイル(生活様式)に合わせて車種をそろえていく」と述べた。同社はフィリピンの新車市場でシェア2位につけている。 シェア首位を走るトヨタ自動車のフィリピン法人、フィリピントヨタ自動車(TMP)は23年に発表した戦略車で次世代型のアジア向け多目的車(AUV)「タマラオ」を展示した。11月末の投入を予定していることを明らかにした。 車両の中敷を生産現場ごとに変えることで多様なニーズに対応できるEV「KAYOIBAKO」や量産EV「bZ4X」も披露した。セダン「カムリ」の新たなHVモデルを投入することも発表した。 ホンダのフィリピン現地法人ホンダ・カーズ・フィリピン(HCPI)は、セダン「シビック」とSUV「CRーV」のハイブリッド車(HV)モデルなど投入済みの環境車を展示した。 24年の新車販売は過去最高だった前年を上回るペースで推移している。フィリピン自動車工業会のロンメル・グティエレス会長は24日、24年通年の新車販売が47万6,000台になるとの見通しを明らかにした。