サケ記録的不漁 沿岸も河川も 漁業者「県産消えるか」危機感 青森県の対策は
RAB青森放送
海でも川でもサケの不漁が深刻です。 記録的な不漁となった去年と比べても沿岸での水揚げは3割ほどにとどまり、回復の兆しが見えず、関係者は危機感を募らせています。 これは県議会の常任委員会で県の担当者が答えました。 ★県 水産振興課 種市正之 課長 「今年度については11月上旬までの漁獲率では約5000尾で不漁であった昨年同期と比べて35パーセント程度の水準となっています」 実態はどうなっているのか。県内で最も多くサケがそ上する奥入瀬川のヤナ場を取材すると…。 ★奥入瀬川鮭鱒増殖漁協 戸来敏幸 組合長 「いまの時期になると令和の前は1日に2000本とか3000本とれていたきょうは24時間で6本まいった」 漁協によりますと今年度の漁獲量は351匹にとどまっています。 記録的な不漁だった前の年と同じ傾向です。 昨年度県内沿岸での漁獲数は5万9000匹、河川では3600匹で2018年度の3~4パーセントと記録的な不漁となりました。 今年度は県全体の沿岸でも5000匹と去年の3割程度、川では860匹と昨年同様の不振が続いています。 上流のふ化場では川をそ上したたサケから採卵・ふ化させるため水槽のほとんどが使われていません。 漁獲が少ないと採卵できる数も限られます。 去年は北海道から卵を買い付けましたがことしは北海道でもサケが不漁で期待できないということです。 ★奥入瀬川鮭鱒増殖漁協 戸来敏幸 組合長 「今年はもういちばん最低じゃないかなと思っている 県産のサケがなくなるのではないかなとそしてまた私たち放流しないと定置網漁の人たちがとれない 自然ふ化ではサケは増えない人工ふ化して放流すればいままではサケは4年かけて大きくなって上ってきたのがこれからもう養殖とかそういう形になっていくのかなと」 ★県水産振興課 種市正之 課長 「野生のサケを親魚とした場合回帰率が向上する報告があることから本県でふ化放流が行われていない河川からサケを採捕して種苗生産を行い比較実証実験を進めていくことにしています」 不漁の原因について県は親潮の流れが変わるなど海洋環境の変化によるエサの減少などと説明しています。 県は北海道から卵を運ぶ事業を支援するほか、生存率の高い大型の稚魚を育てたり、他の川から元気な野生のサケを運んで卵をふ化させる試験をするなどして回復に取り組むとしています。 一方、八戸市の前沖で初めてとなる海面でのカキの試験養殖に向けて種苗を育てる設備の設置作業「沖出し」が始まりました。 けさ試験養殖に携わる2つの漁協の漁業者8人が八戸市市川町の船だまりで養殖ロープやアンカーなどの設備を岸壁から2隻の船に積み込み海域に運び出しました。 ★市川漁協 木田茂美 組合長 「やっぱり初めてだからうまい具合にすぱっすぱっととはいかないから 事故がないようにやっていくしかないからまず一つずつ片付けていくしかないかなと思って」 カキの海面養殖は県が2つの漁協とともにことし初めて試験的に取り組みます。 初年度は市川地区の港からおよそ1キロ沖合の海域で深さ9メートルと13メートルの2つの地点にそれぞれ30個の養殖バスケットを浮かべてカキの種苗合わせて3000個を養殖します。 けさの海は穏やかで沖だしの作業は順調に進み種苗の入った養殖バスケット以外の施設は、ほぼ組み立てを終えました。 ★八戸みなと漁協 尾崎幸弘 組合長 「試験的にやるのだからねここの八戸の海でそれ(養殖施設)がしけ(荒天)に持つかどうかそれだけだあとはカキは波消しブロックとかにも生息しているからだから(養殖も)大丈夫だと思うんだけれども 半年後がどのくらい育つか楽しみだ」 カキの種苗は今月末以降に届く予定でサイズなどを測定したあとバスケットに入れて海面に沖だしします。