[山口県]空き家まるごと売りますイベント 下関・豊北で17日、残された家財から土地、建物まで
空き家にある不要な家財を再利用することで空き家活用の課題解決につなげようという実証イベント「一軒まるごと蚤(のみ)ノ市」が17日午前10時~午後3時、下関市豊北町滝部にある元たばこ店を主会場に開かれる。着物や雑貨、陶器などの掘り出し物を“投げ売り価格”で放出するほか、フードコート、駄菓子屋などを1日限りで繰り広げる。 地域住民5人で立ち上げたまちづくり会社「たきびれっじ」(中野和孝代表理事)の主催。地域活性化起業人として大手総合人材サービス業のパソナグループ(東京都)から下関市に昨年春派遣され、豊北地区でリノベーションまちづくりに取り組んでいる瀬川康弘氏と一緒に企画した。 主会場となる元たばこ店は滝部郵便局隣にある木造2階建ての店舗兼住宅だった建物で、2013年1月から空き家に。解体話があったため、「せっかくなら」とイベントを開くことになった。かつて住んでいた人が趣味で集めた着物約200点をはじめ屋内に残されていた器など計約2千点の販売に加え、「一軒まるごと」のイベント名の通りに、元たばこ店の土地と建物を活用したいという人がいれば0円から交渉を開始して話がまとまれば売却するという。 商売のまちとしてにぎわった滝部地区には同じように家財が残された空き家が多くあるが、家財の廃棄には多額の費用がかかることから空き家活用の際のネックとなっている。今回の企画は発想を逆転させ、家財をごみとしてではなく、「地域の歴史」として価値を見いだし、リユースして生かそうという試みだ。 主会場の近隣では、空き家を活用した昭和の雰囲気が楽しめる駄菓子屋、地元食材を提供するフードコート、ミニフリーマーケットなどを同時開催。雨天決行。近くの市豊北総合支所の駐車場が利用できる。 中野代表理事(53)は「人口が急減しているが、かつてはにぎやかな商店街だった。近くには観光名所の角島もあり、ポテンシャルのあるエリア。市が取り組むリノベーションまちづくりの追い風を生かしながら、空き家を活用してチャレンジしていく」と意気込む。