「住民に表情がない…」求められる心のケア 能登でも活動したDPATって何する人?
池田さんらは、地域の保健師やメンタルサポートをする人との連携を強化しながら見守る体制を整えましたが、1週間という活動期間の短さに十分な支援ができたのか自問自答しています。 ■「前を見る力もない」と話す被災者…足りない支援 石川県では現在石川こころのケアセンターが被災者の心のケアを担いますが、度重なる災害に「前を見る力もない」と話す被災者もいるとして、池田さんはボランティアなどの様々な支援が必要だと考えています。 池田さん「地域で一生懸命、泥出しされている住民に表情がないんですよね。活気がないとか、そういうレベルじゃなくて、表情がない部分で、だいぶ疲弊されているな、とすごく感じました。若い自営業の方は再建のお金を、何とかかき集めて、新しく何か立て直したり、道具を揃えたりというようなお仕事をされていた中で、それが全部流されてしまった。物資や金銭の支援も必要になってくるかなと思う」 また池田さんは、今は緊急性は無くとも遅れて出てくる症状もあるとして、医療支援を受けた方が良い症状の目安について話します。 池田さん「単純には言えないが、やはり不眠だったり、強い不安だったり、感情がコントロールできない状況が挙げられます。普段とは違うことを繰り返すお年寄りは、認知症の発症や、環境の変化についていけないことがあるので、なるべく声をかけて、必要であれば医療に繋ぐ要望をされたらいいかなと思う」 2度にわたり大規模な災害に見舞われるなか、心が疲弊する被災者にどう寄り添うか。医療関係者の葛藤が続きます。
北陸放送