国宝の船形埴輪が里帰り 三重・松阪 4カ月ぶり一般公開
市文化財センターで30日から
三重県松阪市は22日、国宝指定の答申を受けて東京国立博物館(東京都台東区)に展示されていた同市所有の船形埴輪(ふねがたはにわ)など「三重県宝塚一号墳出土埴輪」が〝里帰り〟すると公表した。1月から取りやめていた一般公開を30日から同市外五曲町の市文化財センターはにわ館の第1展示室で再開する。 船形埴輪をはじめとする一連の出土品278点は、国宝指定の答申などを決める国の文化審議会や、東京国立博物館の特別企画「新指定 国宝・重要文化財」の目玉として展示された。そのため同センターでは1月14日を最後に公開を中止し、レプリカを展示していた。 船形埴輪は同センター休館日の27日に戻る予定で、28、29日は臨時休館して展示環境を整えてから翌30日午前9時から一般公開する。 開場は午前9時から午後5時まで(入館は4時半まで)。休館日は平日の月曜と祝日の翌平日。入館料は110円、18歳以下は無料。 船形埴輪は2000(平成12)年4月に宝塚町の国史跡・宝塚1号墳(5世紀初め)から出土(公表)した。王のつえや大刀(たち)などの立ち飾りを持つ日本最大級の全長約1.4メートル。古代史研究の世界で第一級の資料と位置付けられ続け、国の文化審議会が3月17日に一連の出土品を国宝に指定するよう文部科学大臣に答申した。