特殊詐欺に「騙されませんべい!」地元の煎餅店と寺の住職が生み出した防犯啓発品はほんのり甘く 大阪・柏原市
個性的なパッケージには、達筆で「騙されませんべい」の文字。その裏で、警察のシンボルマークが光ります。 3月22日、大阪府柏原警察署から感謝状が贈られたのは、煎餅をつくった「いたに萬幸堂」の伊谷祐一社長(72)と、玉手山安福寺の大崎信人住職(48)です。伊谷さんは、「地域のために詐欺をゼロにできれば。煎餅を食べながら『騙されたらあかん』って思ってもらえたら」と喜びを口にしました。
柏原署の管内では、去年1年間で27件の特殊詐欺被害が発生、被害総額は約4800万円にのぼっています。 大崎さんの安福寺は、以前から警察と連携して、高齢者向けの防犯教室を開催していました。その際、参加者にふるまっていたのが、「いたに萬幸堂」のおせんべいでした。
警察は大崎さんを通して、伊谷さんに製造を依頼。こうして、地元の菓子店と地元の寺が協力した、地元のための防犯啓発品が生まれました。「騙されませんべい」とパッケージに揮毫したのは、住職の大崎信人さんです。 4月1日から、いたに萬幸堂や柏原市内のスーパーの店頭などに並んでいる「騙されませんべい」。 8枚300円で、小麦粉と砂糖、鶏卵を使ったほんのり甘い煎餅。『気をつけよう。甘い話には罠がある』