被害者に寄り添う「隣人」重要 佐世保女児殺害、当時の支局員が講演
2004年に長崎県佐世保市で起きた小学6年生による同級生殺害事件を取材してきた毎日新聞の川名壮志記者が16日、福島市飯坂町の「パルセいいざか」で「犯罪被害者と社会のありかた」と題して講演した。 講演は、国が定める「犯罪被害者週間(25日~12月1日)」に合わせ、被害者支援につなげようと、ふくしま被害者支援センターなどが主催。約600人が参加し、耳を傾けた。 04年6月、当時の毎日新聞佐世保支局長の長女(当時12歳)が、通っていた小学校で同級生に殺害された。当時、佐世保支局員だった川名記者は、被害者や遺族と近しい間柄でありながら、事件を取材するという複雑な立場を経験した。 講演では、事件から数年後に取材した被害者の兄のエピソードなどを交えながら、「被害者の苦しみには時差がある。家族にはぶつけられない思いや、第三者だから話せることもある。被害者に寄り添う“隣人”の存在は重要だ」と指摘した。【松本ゆう雅】