6年前の震災「この事態を伝えることが使命」2人で取材敢行した月刊タウン誌
市民から続々と情報「特別号」発行
同時に市民から被災の様子を伝える写真や情報も寄せられるようになり、当面の発行を断念していた橋本社長は「特別号」の発行を決断します。自分たちが撮影した写真のほか市民提供の決定的な場面や市役所から提供してもらった写真など多数を編集。取材記事を加えて震災から1か月余の4月20日に発行にこぎつけました。 特別号の反響は大きく、当初発行した3000部ほどはすぐに売り切れ。一般の新聞にも載っていない写真や記事が注目され、編集部はさらに約1万部を追加発行しました。「宮古市民を心配して問い合わせてくる遠くの親類や友人に説明するのに最適ということで、この雑誌を送った人が多かった」と橋本社長。 特別号には、親や子供、友人らを失った市民らの思いも込められていました。「この本を見てくれ」という声とともに、特別号は各地に送られていったのでした。 ※後編として「『一生分泣いた』市民の思いも込められた震災特別号」を9日(木)に掲載します。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説