自民「政治資金規正法」改正案でようやく公明にすり寄りも…具体案“小出し”する往生際の悪さに国民ゲンナリ
「(自民は)示された民意を重く謙虚に受け止め、透明性強化へのさらなる一歩を進めていくべきだ」 世襲批判も裏金事件もどこ吹く風…自民・二階俊博氏「三男」に出馬要請した和歌山県町村会に賛否 2日、東京都内でこう声を張り上げた公明党の山口那津男代表(71)。衆院3補欠選挙で自民党が全敗した要因として、同党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件をほのめかしつつ、「国民主権をゆがめるような政治の行為」と断じた。 山口代表が厳しい口調で声を荒げたのは理由があるだろう。自民、公明両党は連休明けにも、今国会の焦点の一つとなっている政治資金規正法の改正案についての具体案をまとめる方向で実務者協議を続けているものの、政策活動費の使途公開や、政治資金パーティー券購入者の公開基準見直しなどでいまだに相違があるからだ。 公明党議員からすれば、「裏金事件を起こした張本人が何をグダグダ言っているのか」といら立ちを覚えているに違いない。 ■条件付きの「なんちゃって連座制」や使途が分からない政策活動費は放置したまま そんな公明党の態度に刺激されたのか、自民党はここにきて公明党が求めてきたパーティー券購入者の公開基準の引き下げを受け入れる方向で調整に入ったと報じられた。現行法では20万円を超えなければ政治式収支報告書に名前を記載する必要がなく、裏金事件の“温床”と指摘されたことから、公明案はこれを「5万円超」とするよう求めており、これに合わせた格好だ。 だが、パーティー券購入者の金額引き下げ――という、わずかな見直しさえも渋っている自民党の姿勢は、往生際が悪いというのか、子供だましと言っていい。SNS上で《相手の顔色を見ながら少しずつ“小出し”するのは政権与党の座にふさわしくない》との声が出るのも無理はないだろう。 《もはや自民党には反省を期待していない。5年間であれだけの裏金をためたのだ。ならば政権交代してから一体、いくらくすねたのか》 《自民党は規正法改正で金の流れを透明化しようとする気はない。どこかに抜け穴はないか。抜け穴は作れないかばかり考えている》 条件付きの「なんちゃって連座制」や使途が分からない政策活動費は放置したまま。国民が永遠に見放す日はそう遠くないのではないか。