吉田正尚が激走!ジャッジ返球より早く技ありスライディング「走力がない分、そういうところでカバー」
◆米大リーグ レッドソックス8―4ヤンキース(15日・米マサチューセッツ州ボストン=フェンウェイパーク) レッドソックスの吉田正尚外野手が「6番・DH」で先発。5-3で迎えた7回の4打席目に、復帰後初の長打となる右中間エンタイトル二塁打を放ち、続く代打バルデスの中前打で生還。ヤンキース側がチャレンジも判定は返らず、復帰後初の得点を記録するなど4打数1安打1得点で、打率は2割5分5厘となった。レ軍は、吉田の激走が稼いだ貴重な追加点が効いて8―4で逃げ切った。 執念が乗り移った打球が右中間に伸びる。5-2で迎えた7回二死。それまで3打席無安打に抑えられていた吉田のバットが快音を奏でた。2球目のチェンジアップを捉えた打球速度103マイル(約165・7キロ)の当たりは、ワンバウンドでフェンスを越え自軍ブルペンへ。エンタイトル二塁打となった。 続く代打バルデスの中前打で一気に三塁を蹴った吉田に対し、ヤ軍の中堅手ジャッジが本塁へ送球。間一髪セーフの判定は、敵軍がチャレンジ。ビデオ判定が出て判定は覆らず、今季2度目のチケット完売で3万6673人が集まった本拠地は、大歓声に包まれた。 「2アウトでしたので、ジャッジ選手は肩が強いので油断はできないところ。スタートは良かったんですが、後で(ビデオを)みたら、結構タイミングが際どかった。足が合わなかったので、どっちで滑ろうかなと。ちょっとそれで引っ掛かりました」と際どいホームインを振り返った吉田。しっかり回り込んで足を伸ばした技術が、ジャッジの肩との”勝負”に生き、「走力がない分、そういうところでカバーしていかないといけない」と納得の表情だ。 3回以降は両軍無得点が続き、7回にヤンキースが1点を返して5-3となった嫌な流れを断ち切る貴重な追加点。ベンチに戻ると、ナインから手荒い祝福を受けた。左親指痛による負傷者リストから、約1か月半ぶりに復帰して、ここまで先発3試合で10打数1安打と、なかなか調子が上がらなかった。タイミングを戻すのに時間を要したが、コーラ監督は「打席内容は悪くない。ボールの見極めは出来ている」と、ブレない選球眼に信頼を寄せていた。 この日は黒いバットに替えて試合に挑み、4月27日のカブス戦以来となる二塁打&得点を記録。復帰15打席目。結果が伴うのは、時間の問題だった。
報知新聞社