【競馬予想】秋華賞で「3強」を出し抜く馬はいるか? 穴党記者が密かに期待する伏兵2頭
そこで、奥田記者は今年のレースで一発が期待できる"穴馬"候補を2頭ピックアップした。 「まずは、チルカーノ(牝3歳)です。昨年の12月デビューで、ここまで5戦3勝。春はクラシック路線に乗れず、ここ2戦は古馬相手に経験を積んできました。そして、前走の2勝クラス・長久手特別(8月25日/中京・芝2000m)では、中団から脚を伸ばして快勝。着差以上の内容でした。 今回、重賞初挑戦でGIとなりますが、その血統からして軽視はできません。皐月賞馬ジオグリフが半兄にいて、母アロマティコも2012年の秋華賞で3着と好走。彼女もトライアルレース以外からの参戦で、秋華賞が初重賞でGIでした。母と似たようなローテでの激走に期待が膨らみます」 同馬を管理する高野友和調教師は、過去10年で秋華賞を2勝。一昨年は管理馬によるワンツーフィニッシュを決めるなど、このレースとの相性はいい。 「その高野師はチルカーノについて、『順調にきています。前走もまだ絶好調とまではいかないなかで勝ちきってくれました。そこから上向いて(秋華賞には)いい状態で臨めると思います』と上昇ムードにあることを伝えています。 さらに、同師によると『(チルカーノは)まだまだ成長段階の過程ですが、セールスポイントは"意外性"』だとか。『毎回、こちらの期待をひとつ超える走りをしてくれますね。いい意味で予想を裏切る走りというか、そういうところはやはり血統的な素質なのかもしれません』と目を細めていました。 チェルヴィニアやステレンボッシュといった有力どころとは未対戦。未知の魅力も込みで狙ってみたい1頭です」
奥田記者が注目するもう1頭は、ランスオブクイーン(牝3歳)だ。 「今年の1月デビューから初勝利までに4戦を要しましたが、未勝利勝ちから挑戦したオークスで5着。14番人気の低評価を覆し、ハイペースの流れを前々で運んで粘り込む内容は評価できる走りでした。 その後は、休養を挟んで自己条件の1勝クラス(8月4日/新潟・芝2200m)を勝利。前走の2勝クラス・夕月特別(9月22日/中京・芝2000m)では1番人気に推されましたが、タイム差なしの3着に敗れています。 そうした状況を踏まえて、管理する奥村豊調教師は『オークスや前走を見ても、よくも悪くも相手なりのタイプなんだと思います』と、同馬について分析。好走のポイントには展開面などを挙げ、『今回はオークスとは舞台がガラッと変わるので、ペースも速くなるでしょうし、時計勝負になると分が悪いと見ています。それでも、状態は変わりなくきています。立ち回りはうまくできると思うので、オークスのような競馬できれば、ですかね』と話していました。 前走の結果から人気はそこまで上がらないでしょうが、相手なりに走れる強みを生かせれば、GIでも面白い存在になるのではないか、と思っています」 人気では「3強」が抜けた存在になるだろうが、京都の小回りコースでは何が起こるかわからない。好位につけてスムーズな競馬をした馬が「3強」を出し抜いてもおかしくない。それが、ここに挙げた2頭である可能性も十分にある。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu