頭痛、肩こり、倦怠感…つらい「気象病」6割超が経験者 なぜ発症? 改善するには? 上手な付き合い方を専門家がアドバイス #こちら373
天気の変化と片頭痛の関係を調べた研究も少なくない。脈打つようにズキズキと痛む片頭痛は、天気以外でもストレスや睡眠不足、空腹、においなどさまざまな要因で発症する。花田医師は「頭痛の種類に関わらず、症状の記録をつけることが対処のスタートになる。どんな時にどんな痛みが起きるか、把握しておくことが大切」とアドバイスする。記録しておけば、診察の際にも医師に情報を伝えやすい。日本頭痛学会では、症状の出た日時や内容などを書き込む「頭痛ダイアリー」をホームページで配布している。 アンケートでは、気圧の変化で頭痛の発生を予測するアプリなどを使う人もいた。花田医師によると、主体的に頭痛を管理しようという行動は「天気はコントロールできない」という無力感をなくし、「生活管理や薬の準備など、前向きな治療行動や頭痛の改善につながるといった報告がある」と語る。 回答者からは、鎮痛剤の適切な飲み方を知りたいとの声が多く寄せられた。「市販薬は痛みが出始めてから、我慢できなくなる前に飲んで」と花田医師。通常の鎮痛薬は効果が出る時間が短く、痛くなる前に飲んでもほとんど予防効果は期待できないという。
注意したいのが、飲む頻度だ。月10日以上の服薬や1日に複数回飲む状況であれば、薬物の使用過多による頭痛を併発している可能性がある。「薬の量を自力で調整するのは難しい。迷ったら病院を受診して。片頭痛は予防薬も大きく進歩している」と話す。 花田医師は「頭痛を当たり前と思ったり、病院を受診しても『心配のない頭痛』と言われたりして、自己流の対応になっていることも多い」と指摘。「鹿大病院をはじめ、県内には頭痛診療を行っている病院がある。緊急性の高い痛みでの受診はもちろん重要だが、慢性的な症状も治療によってうまく付き合っていける可能性がある」と助言する。
南日本新聞 | 鹿児島