BiS 新体制で放つメジャー3rdアルバムから、さらにその先へ「ここからどうなっていくのかまだまだ未知なグループですね」【インタビュー】
「新体制になって一発目に出たのがこの曲で良かったなと思っています」(トギー)
◆この1年でさまざまな経験を経てのニューアルバム発売となりますが、本作の中でも一番最初にリリースされたM-4「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」は、今までとは異なる新たな方向性を打ち出した曲でしたよね。 トギー:この曲は中野(雅之)さんたちが新しいBiSについてすごく考えて作ってくださった曲だったので、そのおかげで自分たちも“強い気持ちで進んでいこう”と覚悟が決まったところもあります。みんなで歌うパートが多いことで、“みんなで頑張っていくんだ!”っていう思いが歌うたびに強くなっていって。新体制になって一発目に出たのがこの曲で良かったなと思っているし、すごく自信を持てました。 ヒューガー:ライブをこの6人でやり始めたばかりの頃は、“どういうふうに思われるのかな”とかいろいろ考えながら挑んだりもしていたんです。でもこの曲を歌っているときは“みんなで歌っている”っていう気持ちで心強く感じられて、“これが今のうちらなんだ”って自信を持って披露できていて。そういう意味でも、すごく大切な曲ですね。 ナノ:私たちも新体制になって先が分からなくて不安な気持ちもあって、この6人でどうなっていくのかまだ全く見えていない段階でこの曲を出したんです。でも“全部うまくいく”という思いを込めて作ってくださった曲なので、この曲と一緒に新しいBiSがうまくいってほしいという思いを込めて歌えることがうれしかったです。 ◆そのカップリングに収録されていたM-8「僕の目を見つめて 君の世界になりたい」も同じく中野さんプロデュースによる楽曲ですが、歌詞も含めて新しいBiSを見せていくという意思を感じました。 ヒューガー:“油ぎった手で触れんなよ”とか攻撃的なワードが結構練り込まれていて、振り付けでもヘドバンしたりしていて。“ガンガン走っていくぜ”という疾走感のある曲なので、ライブでも“ぶっとばし精神”で披露していました(笑)。 ◆“油ぎった手で触れんなよ”は攻めているなと思いました(笑)。 ヒューガー:攻めていますよね(笑)。でもその後に落ちサビで幻想的なパートがあって、そこのギャップも楽しめる曲だなと思います。 イコ:ライブでは“僕だけじゃ踊れない 君のかわりはいない”の部分をファンの人たちを見ながら歌えるので、加入してすぐのライブで出会ったファンの人たちとこうやって歌でコミュニケーションを取れるのがすごくうれしかったです。(この部分の歌詞は)お互いに言い合っているような気持ちでいつも歌っています。 ナノ:“BiSから研究員へ、研究員からBiSへのラブソング”だと(楽曲提供したTHE SPELLBOUNDの2人が)おっしゃっていたんですけど、本当にそのとおりだなと。 ◆本当に再出発にふさわしい2曲だったと。そのあとにシングルリリースしたM-5「LAZY DANCE」はフルカワユタカ(DOPING PANDA)さんプロデュースによるもので、またテイストが違いますが。 クレナイ:「LAZY DANCE」というタイトルの通り結構かわいい曲で、みんなで踊れるような振り付けなんですよ。だから研究員とすごくつながっている感じがして、ライブでやるとすごく盛り上がって楽しい曲です。 ◆フルカワさんとの作業はいかがでしたか? ナノ:細かいディレクションはそんなになくて。歌い方のニュアンスをみんなでそろえたりはしたんですけど、それぞれがこの「LAZY DANCE」という曲を解釈して歌った感じです。 ヒューガー:ピッチとリズムは(レコーディング段階で)正してもらいましたね。もうちょっとここは細かいリズムに合わせてとか、ピッチも鍵盤を叩きながら「もうちょっと高く」とかはやっていただきました。 ◆YouTubeで公開されたドキュメンタリー映像にもそのあたりは少し映っていましたね。 ナノ:そういう細かいところは直してくださったけど、ディレクションに関しては“もっとこういうイメージで”とかはなく、各々が思うままに歌わせてくれたという感じです。 ヒューガー:のびのびと歌わせていただきました。 ◆中村弘二(ナカコー)さんプロデュースのM-7「青風」について、ドキュメンタリー映像ではトギーさんが「曲で聞くとめっちゃ泣きそうになる」とコメントされていましたが。 トギー:文字だけで見た印象だとストーリー性のない歌詞なのかなと思っていたんですけど、音楽にすると1つのストーリーになるように感じられて。音楽の力ってすごいなと思ったし、“こんな歌詞、私には書けない”と思ってすごく感動したんです。“音に言葉を乗せるって、こういうことか”と感じられて、本当にすごい曲だなと思いました。 ◆もう1曲のM-3「Olenimorph, Ole」ではラップにも挑戦しています。 ヒューガー:初挑戦でした。レコーディングの前は、途中の道とかでもみんなで練習していましたね(笑)。 ナノ:うまく歌えるようになるまでは舌をかみそうでつらかったけど、歌えるようになったらめちゃくちゃ楽しかったです。 ◆自分たちの表現の幅も広がった。 トギー:2曲とも“風”を感じるというか。部屋で聞いていても、自分の周りのものが動いているような感覚になるくらい、音の世界観がすごく作り込まれているなって思いました。めっちゃ気持ち良いですね。イヤホンで聞きたい曲です。 ヒューガー:「青風」では、解放感を意識していて。今までは決まった動きで振り付けをしていたんですけど、この曲ではみんなに“自由に回って”とか“自由にここは動いて”とか言って。のびのび歌わせてもらったことを表現したいなと思って、(振り付けも)作りました。