大阪・岸和田市長、「ダブル選」の可能性に言及 不信任決議案可決
大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)が、性的関係にあった府内の女性から損害賠償を求める訴訟を起こされて和解した問題で、同市議会(定数24)は20日、永野氏に対する不信任決議を賛成多数で可決した。 【写真で見る】市長の辞職を求め、市役所前でプラカードを掲げる市民ら 決議には法的な拘束力があり、永野氏は10日以内に議会の解散または失職を選ばなければならない。永野氏は20日の記者会見で「すべての選択肢が残っている」と明言を避けつつも、議会を解散した上で自らも辞職する可能性を示唆した。 不信任決議は市議19人の連名で12月定例会本会議に提案され「岸和田市は大混乱の異常事態で、市長の責任は重大である。このまま市政運営を任せることはできない。即刻、退陣を求める」などと、永野氏を厳しく批判した。一方で、市議2人が「審議が尽くされていない中での不信任は、市政の停滞につながる」などと反対討論した。 可決には、議員の3分の2以上が出席し、そのうち4分の3以上の賛成が必要だったが、烏野隆生議長を含む24人全員が出席し、投票結果は賛成20、反対4だった。市議会が9日の開会日に、永野氏に対して本会議などに出席しないよう申し入れており、20日も永野氏は議場にいなかった。 烏野議長から不信任議決の通知を受けた後、永野氏は記者会見。「決議は重く受け止めるが、不思議というか、びっくりしている」と心境を語った。「妻以外の女性と交際関係にあったことは謝罪したが、不信任決議をされるようなことではない」と主張。議会を解散した上で自らも辞職して「ダブル選」にする可能性にも言及し「同時に議論して、(市民に)選んでもらえるメリットはある」と述べた。 市選管によると、前回の市長選(2022年1月)には4437万円、市議選(23年4月)には7309万円の費用がかかった。ダブル選の費用は1億円前後になる可能性がある。 不信任決議について、市役所を訪れた50代の男性会社員は「不倫はよくない。市長が反省しているように感じない」と話した。30代の女性会社員は「選挙費用がもったいない」と疑問を投げかけた。 永野氏は市長就任以降の19年ごろから女性と交際し、約1年半にわたって不適切な関係を続けた。女性は22年6月、永野氏に損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。24年11月、永野氏が女性に謝罪し、解決金500万円を支払う内容で和解が成立した。 問題発覚後の12月8日、永野氏は所属していた大阪維新の会から離党勧告の処分を受け、同日付で離党した。【中村宰和、藤河匠】