猛暑の夏に酷使したエアコン、秋のうちに点検と掃除が大事?
2024年も猛暑が続いた夏。ようやく秋の涼しさが訪れ、もうすぐ冬支度という中で、三菱電機は、暖房を使い始める前の秋のエアコン点検や掃除の重要性とその方法について紹介している。 【画像】夏にエアコンをしようするほど内部の汚れが溜まり、ニオイが発生しやすくなる 三菱電機 霧ヶ峰の利用データによると、2024年夏のエアコンの平均稼働時間は前年に次いで過去2番目平均消費電力量は過去最高となったという。夏にエアコンを使用するほどエアコン内部に汚れが溜まるため、そのままの状態で秋のエアコンを使用しない時期に入ると、エアコン内部にカビが繁殖して「不快なニオイ」の原因になると説明している。 特にカビが発生しやすい場所は、風の通り道にあるエアコン内部(熱交換器、ファン、通風路)とフラップのお掃除が必要とのことで、その手入れ方法を紹介する。 ■ 前提:手が届かないエアコン内部の掃除はプロにまかせる 三菱電機によると、エアコン内部の熱交換器やファン、通風路などの掃除は、プロによるエアコンクリーニングが必要だという。 「自分で行なうと、誤った洗浄方法により内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障などを引き起こすことがあります。また、むやみにエアコン内部を濡らすと、予期せぬ故障や事故につながる可能性があり、最悪の場合は発火のリスクがあるためお控えください」(三菱電機空調冷却システム事業部 久田優美さん)。 ■ フラップの掃除は自分で行なってOK フラップを掃除する場合は、感電や誤作動を防ぐため、電源を落とし、電源プラグをコンセントから抜く。 台所用中性洗剤を使用量の目安までぬるま湯で溶かし雑巾等に染み込ませ、しっかり絞ってから軽く拭き取る。拭き取った後は、乾いた雑巾でしっかりと水分を拭き取り、乾燥させる。 「エアコンのカビ掃除をする際に、市販の洗浄スプレーなどを仕様することはお控えください。スプレー使用時に誤ってエアコンの基板部分に液体をかけてしまうと、エアコンがショートして故障したり、最悪の場合発火のリスクがあります」(久田さん)。 ■ 日常的に実施できるエアコンのカビ予防 同社では、フィルターや吹き出し口、フラップなど手の届く範囲のパーツを、定期的に拭き掃除をした上で、カビ予防につながる対策を2つ紹介している。 1:適度な換気の実施 換気は、室内の空気に混ざっている汚れを屋外に出すことができるため、エアコン内部に取り込まれる汚れが減少し、カビが繁殖しにくい状態を作ることができるとする。 2:冷房使用後、送風運転の実施・内部クリーン機能の活用 夏場、エアコン冷房を使用すると、エアコン内部に結露水が溜まって多湿な状態となる。しかし、エアコン冷房使用後に送風運転を3~4時間実施すると、内部の水分が乾燥して湿度を下げられ、カビ発生の抑制につながるとしている。また、内部クリーン機能の活用も有効だという。 ■ 室温・外気温が穏やかな時期にエアコン点検を 同社では、比較的室温や外気温ともに穏やかな時期に、エアコンの点検を実施することで、エアコンへの急激な負荷を減らし、故障のリスクを減らせるとし、冬前にエアコン点検を実施を呼びかけている。 「冬前のエアコン点検」の方法 実施前のチェックポイント ・室外機の周囲には物を置いていないか ・電源プラグやコンセントに「変色」「がたつき」「ゆるみ」はないか ・電源コードに傷はないか ・電源プラグにほこりが付着していないか ・リモコンは動くか、液晶画面の表示は薄くなっていないか ・フィルターや熱交換器等、エアコン内部にほこり、カビがついていないか 実施手順 ・運転モードを「暖房」にして、設定温度を「設定できる最高温度」にし、温風になってから10分運転し、温風がきちんと出ているか、異常を示すランプがついていないかをチェック。 ・さらに30分程度運転し、異音や異臭がないか、水漏れが発生していないかをチェックする。 ■ 暖房の効きが悪い時にチェックすること エアコン暖房時に、暖房の効きが悪いと感じた時は、「運転モードは、“暖房”になっているか」「風向は、“自動”または“下向き”になっているか」の確認が重要だという。暖かい空気は部屋の上部に溜まりやすいため、風向が上向きだと温風が足元に届きにくくなるため、向きの確認が必要とのこと。 このほか、「室内機・室外機の吹出口、吸入口をふさいでしまっている」「フィルターが汚れている」場合も暖房の効きが悪くなるという。同社では、室内機の下に背が高い家具を置かないほか、室外機の周りを整理整頓するよう紹介している。また、フィルター掃除をせずにゴミやほこりなどがつまると、暖房の効きが悪くなるほか、電気が約5~10%のムダ使いになるとし、2週間に1度のフィルター掃除をオススメしている。 暖房運転時は室外機についた霜取りを取り除く「霜取り」動作により、一時的に暖房が止まることがある。霜取り後は、一定時間過ぎると暖房運転が再開する。 これまで紹介した方法をとっても、暖房の効きが悪い場合は、故障の可能性があるため、同社では専門業者へ修理を依頼することを案内している。三菱電機のハウスクリーニングサービスでは、エアコンのメーカーとしての知見をもとにエアコン本体やコーティングにも配慮したクリーニングを行なっているという。 「夏にエアコンの冷房が使えていたとしても、エアコンの部品の四方弁が故障して暖房が使えない事態が発生します。そのため、冬前にエアコンの点検をすることが重要です」(久田さん)。
家電 Watch,伊森 ちづる