マーティン・スコセッシ製作総指揮×エリザベス・モス主演 ゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの伝記を初映画化 映画『Shirley シャーリイ』
世界各国の映画祭で高く評価された『Madeline’s Madeline(原題)』やA24とApple TV+が共同制作した『空はどこにでも』などで注目を集めている奇才ジョセフィン・デッカー。彼女の初長編『Butter on the Latch』に惚れ込んだという巨匠マーティン・スコセッシが製作総指揮に名乗りをあげ、2020年のサンダンス映画祭でUSドラマ部門審査員特別賞を受賞した、映画『Shirley シャーリイ』。 この度、本作の本予告映像とポスタービジュアルが公開された。 本作は、スティーブン・キングも影響を受けたと言われるゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの伝記を基にした心理サスペンス。彼女の小説だけでなく、配偶者で文芸評論家でもあったスタンリーとの数百通の手紙をもとに制作されている。また、作家自身のキャラクターを描きながら、まるでジャクスンの小説世界に迷い込んだかのような、幻惑的な映像を作り上げた。 1948年、「ニューヨーカー」誌上に発表した短編「くじ」が一大センセーションを巻き起こした後、新しい長編小説に取り組んでいたシャーリイ(エリザベス・モス)はスランプから抜け出せずにいた。着想の元になったのは、ベニントン大学に通う18歳の少女が突如として消息を絶った未解決の失踪事件。部屋に引きこもってばかりいるシャーリイの状況を変えようと、大学教授である夫のスタンリー(マイケル・スタールバーグ)は、助手のフレッド(ローガン・ラーマン)と妻のローズ(オデッサ・ヤング)を居候として呼び寄せる。初めは気難しいシャーリイの態度に挫けそうになるローズだったが、交流を続けるうちに2人の間には奇妙な絆が芽生えていく。 デッカー監督は、シャーリイ・ジャクスンについて「ある批評家か伝記作家が<シャーリイは政治的な作家ではない>と指摘していたが、しかしシャーリイは私的なレベルにとどまりつつ政治を意識していたと思っている」と語る。そして「だからこそ彼女の作品は今でも響き続けるのだ。彼女の作品は非常に人間的だから時代を超えて読まれている。シャーリイは非日常的な設定、心理描写、あるいは潜在意識に訴える巧みなリズムを使って人種差別、階級差別、性差別と闘っていたのだ」とその魅力についてコメント。 脚本を手がけたサラ・ガビンズは「彼女は数多くの短編や長編を残したが、ホラー作品によくある吸血鬼やゾンビや幽霊や神話上の怪物は登場しない。その代わり日常のありふれた風景の中に恐怖を見出すのがシャーリイの小説の特徴でもある。<人間こそ恐ろしい怪物であり、私たち自身の精神が血に飢えた悪魔的な妖怪であり、私たちの社会はのどかなパーティーを楽しみつつ石打ちの刑にも加われる気まぐれな人々の集まりである>」と、長年、文学とかけ離れたホラー作家として扱われてきたシャーリイ・ジャクスンについて異議を唱える。 シャーリイを演じたのは『透明人間』「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」などで知られるエリザベス・モス。ほか、マイケル・スタールバーグ、オデッサ・ヤング、ローガン・ラーマンら、実力派キャストが集結した。 映画『Shirley シャーリイ』は、2024年7月5日(金)より全国ロードショー。
otocoto編集部
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