朝起きられない病気と闘う友人が題材 16歳で書いた小説が出版
めまいなどの症状で朝起き上がれなくなる「起立性調節障害」と闘う友人を題材に、執筆当時16歳の女子高校生だった小田実里さん(21)が書いた小説が出版された。タイトルは「今日も明日も負け犬。」。クラスメートだった西山夏実さん(21)が症状に苦しみ、学校へ行けなかった中学時代を中心に描いた。 【写真】ルーズリーフに手書きで書いた初稿 起立性調節障害は自律神経の不調により、起き上がる時に脳や体への血流が低下するなどして、立ちくらみや失神などの症状が出る。日本小児心身医学会によると、不登校の子どもの3~4割に起立性調節障害が併存しているともいわれる。 高校2年のはじめ、小田さんがクラスメートの西山さんに頼まれて小説を執筆。それをもとに西山さんが自主制作した映画がテレビなどで取り上げられ、出版社の目にとまった。 小田さんは「起立性調節障害への正しい理解が広まってほしい。それ以上に、毎日1人で悩んで生活している人が前を向くきっかけになればうれしい」と話す。 「今日も明日も負け犬。」(幻冬舎)は税込み1650円。全国の書店のほかネット書店で購入できる。(松本江里加)
朝日新聞社