クロアチア国立銀行のブイチッチ総裁

（ブルームバーグ）： 欧州中央銀行（ＥＣＢ）政策委員会メンバーのブイチッチ・クロアチア国立銀行（中銀）総裁は、９月の追加利下げにはＥＣＢのインフレ見通し改善が必要だとの見方を示した。

ブイチッチ氏はブルームバーグとのインタビューで、７月での行動が完全に排除されるわけではないが、その２カ月後にはより多くのデータや新たな予測が入手可能になると指摘。ＥＣＢ目標達成のずれ込みが示唆されれば、追加利下げの可能性は低くなる。

ブイチッチ総裁はクロアチアのドブロブニクで、「さらに実行するにはより多くの進展を見る必要がある」とし、「インフレ率の中期目標への転換が長引けば、利下げの論拠は弱まる。逆もまた同じだ」と語った。

ＥＣＢは今月、0.25ポイントの利下げを決定。今年と来年のインフレ率見通しは小幅ながら上方修正され、２％への道筋がやや長期化するとの予測が示された。

「われわれは９月までのデータを見極めることになるだろう。それまでにさらに３回のインフレと経済活動、労働市場、金融市場に関するデータ、そして新たな予測を得ることになる」とブイチッチ氏は説明。「７月という選択肢も常にあるが、９月にはもっと多くのデータを入手できる。その会合では据え置きか利下げか、全てがオープンだ。追加のデータを見る前に、われわれがどうしたいかというシグナルを出したくはない」と述べた。

関連記事

原題：Inflation Must Improve for ECB Cut in September, Vujcic Says（抜粋）

(c)2024 Bloomberg L.P.