漆塗りヘルメット、世界で輝け 黒を基調に金の鳳凰 レーサーが依頼、塩尻市の企業が手がける
塩尻市贄川の木曽漆器製造販売「庄太郎」は、海外で四輪車のレースに出場しているプロドライバー塚本ナナミさん(東京)の依頼で、漆塗りのヘルメットを完成させた。塚本さんが「日本の伝統を世界に伝えたい」と宮原勝弘社長(54)に相談。地元の職人が漆を塗り、蒔絵(まきえ)を施した。8日に塩尻市役所でお披露目式があった。 【写真】漆を施したレース用ヘルメットを披露する塚本ナナミさんら
ヘルメットは頭部をすっぽり覆うタイプ。黒を基調に、翼を広げた金の鳳凰(ほうおう)などを蒔絵でデザインし、顎の辺りには赤いボタンの花をあしらった。岩原裕右(ゆうすけ)さん(45)が漆を塗り、手塚希望(のぞみ)さん(32)が蒔絵を担った。
同社は二輪車向けのヘルメットに漆を塗っている。宮原社長は自ら四輪車のレースに出場し、レース関係者に人脈がある。同社の取り組みを知った塚本さんが一昨年秋、漆を塗ったヘルメットが欲しいと相談。同社は塚本さん用と、木曽漆器産地をPRする同じデザインのヘルメットを仕上げた。
デザインは日本らしさや縁起の良さを重視したという。この日、市役所を訪れた塚本さんは5月にタイで行われるレースから使用とするとし、「海外の特に子どもたちに見てもらい、日本にはこんな伝統があるんだと伝えたい」と話していた。