【韓国ドラマ】シーズン2が待ちきれない!ウィ・ハジュンの出世作『イカゲーム』をプレイバック
個性豊かな主要キャラクターたちの中でも印象的だったのが、主人公のギフン(イ・ジョンジェ)と地元の後輩のサンウ(パク・ヘス)の関係。 ギャンブルがやめられないギフンと、横領した金で先物取引に失敗して警察から追われる身になったサンウ。どちらもお金に関してはクズですが、ギフンは自動車工場をリストラされた一方で、サンウはソウル大学経済学部に主席入学&証券会社勤務と歩んできた背景が対照的。自分より他人を助けようとしてしまう心根の優しいギフンに対して、サンウはギフンのことを「ヒョン(兄貴)」と親しみを込めて呼びながらも、ゲームに勝つ重要なポイントをあえて言わなかったり、一緒に戦ってきた仲間を騙して勝ち抜いたりと冷徹な顔を持っています。
サンウってずる賢くてひどいやつだな~と思う場面も(多々)あるのですが、ソウル大出身の証券マンというエリート街道を歩むために熾烈な競争を勝ち抜いてきたであろう生い立ちを考えると、完全な悪とも言えないんですよね。運と周囲の人々との繋がりでなんとか生き残るギフンの「多くの人々の犠牲によって生かされている」という考えも、サンウの「自分の努力と能力でここまで来た」という考えも、どちらも事実。対照的なギフンとサンウが人間の持つ二面性を描いているようで興味深かったです。
脱北者のセビョク(チョン・ホヨン)と、刑務所から出所してきたばかりのジヨン(イ・ユミ)の友情も、本作のハイライトのひとつ。2人のうちどちらか1人が脱落するというゲームで、制限時間ギリギリまでお互いの生い立ちや夢について語り合い、友情が芽生えるシーンは「泣ける」と話題になりました。 そして、本作でゲームの真相に迫るキーパーソンのジュノ役を演じたのが、『ロマンスは別冊付録』(2019)、『卒業』(2024)などで人気急上昇中のウィ・ハジュンです。
警察官ジュノは、失踪した兄を追ってゲームの運営側に潜入。ジュノがゲームの裏に隠された本当の目的を明かしていってくれるので、プレイヤーたちによる「デスゲーム」と運営組織の実体に迫る「クライムサスペンス」という2つの角度から作品を楽しむことができました。 ジュノは凶悪犯罪を扱う強力班(日本でいう捜査一課)の刑事なのですが、ギフンたちをイカゲームの島へ連れていくスタッフを襲って潜入に成功したり、正体がバレそうになったら躊躇なく相手を倒したりと戦闘能力がすごく高く、ジュノ視点のシーンはさながらスパイ映画を観ているよう。ウィ・ハジュンはデビュー前に兵役を終えており、ジュノの俊敏な体さばきにはそうした経験が生きているのかもしれません。