バスケコートにカフェにシェアオフィス 川崎・日進町に複合施設誕生へ
JR川崎駅の南側に位置し、一見新しいマンションが並ぶ普通の住宅街に見える川崎区日進町。一角には簡易宿泊所が連なるドヤ街があり、11人が亡くなった昨年5月の火災も記憶に新しい。 そんな日進町に6月24日、バスケットボールコート「unico court(ウニコ コート)」がオープンした。建物は使い捨て食品容器や包装資材を卸販売するヨネヤマ(本社・川崎市川崎区大川町)の旧本社倉庫をリノベーション。空調付きの6メートル×16メートルのコート1面と7メートル×7.75メートルのハーフコートを設置し、プロバスケットボール選手・岩佐潤さんによるバスケットボール教室を開くほか、草バスケやダンス、ヨガ、各種イベントに使用できる多目的スペースとして運用する。
同社は1946年に小川町で創業。67年に日進町へ移転し、鉄筋コンクリート造・4階建ての旧本社ビル旧館と5階建ての新館を新築した。89年まで本社として使用し、その後は関連会社が利用していたが、昨年からは空きビルとなっていた。講堂や寮もそなえ、中学を卒業したばかりの10代の若者を含む多くの従業員の暮らしを支えたビルを活用しようと、創業70周年を機に複合施設へと生まれ変わらせる一大プロジェクトが始動した。 施設名はイタリア語で唯一無二を指す「ウニコ」。先行オープンしたバスケットボールコートのほか、新館には市民がものづくりを行うファブラボやカフェ、起業家の拠点となるシェアオフィス、旧館にはシェアハウスの開設を予定している。屋上には農園も計画するなど、可能性はまだまだ広がる。
同社新規事業プロジェクト担当部長の武井雅子さんは「関わる人皆が面白がりながら、助け合ったり、刺激しあったりできる、ざっくりでも同じ志の人が集まる場所にしたい。ボランティアでなく少しずつでも収益を出し、継続していければ」と話す。 バスケットボールコートの利用や教室のスケジュールはホームページから。秋までには更衣室やシャワーの整備を予定しており、営業時間も延ばして仕事帰りの社会人も利用しやすくする。 (齊藤真菜)