飲み込みやすく調整した「嚥下食」 酒田のラーメンが完成 高齢者施設などで提供へ
山形放送
食べ物を飲み込む力が弱くなった高齢者なども味わうことができる「嚥下食」のラーメンが完成し、酒田市のラーメン店でお披露目会が開かれました。 新たに開発された食べ物を飲み込む力が弱い人でも食べられる嚥下食のラーメン「やわとろ酒田のラーメン」です。高齢者や病気などで普通の食事を取ることが難しくなった人たちの「懐かしい酒田のラーメンをまた食べたい」という声に応えて、食のバリアフリーを目指す人たちで作る「北庄内食援隊」と「酒田のラーメンを考える会」が共同で開発しました。 この日は、酒田市の矢口明子市長らを招いたお披露目会が開かれ、関係者が試食しました。 試食「うーんおいしい。麺は変わらないけれど確かにちぎれやすい」 庄内産小麦「ゆきちから」を使った麺は香りも良く、水分量を工夫し熟成させずに茹でることであえてコシを無くし、柔らかいけれどものびにくく仕上げたといいます。スープはとろみをつけることで飲み込みやすくし、ワンタンは、具材のひき肉を何度もすり潰して肉の繊維を細かくしたということです。メンマはミキサーで粉砕して成型することでぎりぎり持ち上げられる硬さにしました。 鶴岡市内で嚥下食の提供に取り組んでいる料理人も今回開発されたラーメンを高く評価しています。 試食した延味克士さん「とても飲み込みやすく出来ていてのど越しも良かった。とろみが普通の馬鈴薯でんぷんでつけると水戻りしてサラサラになるはずが、それも無かったので最後までとても食べやすかった」 酒田のラーメンを考える会 石垣洋平さん「自分たちがお店でやっちゃダメなことを一生懸命考えながら麺をいじめてやっている。もう少し改良の余地はあると思うけれども納得のいくものが出来てお年寄りの方にもラーメン喜んで食べて頂ければと思う」 この「やわとろ酒田のラーメン」は今後、高齢者施設などで提供するほか、一般の飲食店でも提供できるよう改良を加える予定です。また、来年1月に酒田市で開かれる「ラーメン県そば王国フェスタinさかた」への出店も検討しているということです。