本能をびびらせる、風にはためき「タカの目ギョロリ」 ごみ荒らすカラスの撃退「天敵」任せで効果てきめん 鹿児島市の旗製造会社が開発
賢くても本能には逆らえない-。カラスによる被害を防ごうと、旗製造会社フラッグタナカ(鹿児島市)が“天敵”を模した旗を製作した。畑やごみ置き場、鳥インフルエンザ対策として、県内各地で目を光らせている。 【写真】ごみ置き場に設置された「タカの目ギョロリ」。カラス被害が減ったという=鹿児島市上竜尾町
製品は高さ123センチ、幅80センチの「タカの目ギョロリ」。プリントされた猛禽(もうきん)類のオオタカは、カラスを捕食することもある空の頂点捕食者だ。反射材で目やくちばしが光り、看板などと違って風を受けるとはためくため躍動感もある。 同社の田中秀人代表(70)によると、自宅近くのごみ置き場がカラスに荒らされていたのをきっかけに開発。当初は渦巻き模様などをプリントしたが、学習能力が高いとされるカラスには効果が薄く、天敵を使う発想にたどり着いた。 「効果はてきめん」と絶賛するのは同市上竜尾町の貞方洋子さん(86)。自宅近くのごみ置き場に設置したところ「ぱったりと見なくなった。掃除の負担が減ってみんな喜んでいる」。 カラスはウイルスを媒介することもあり、県畜産試験場(霧島市)では、鳥インフルエンザ対策として3年前から鶏舎周辺や水場に導入する。担当者は「カラスを含む野鳥が集まるのを防いでくれる」と話す。
県トライアル発注製品にも採択され、これまで約150本を販売した。田中代表は「自分たちの技術が、社会貢献につながれば」と意気込む。5種類あり、いずれも3850円。同社=099(268)3630。
南日本新聞 | 鹿児島
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