空港なし県で、植物の種からロケットまでの〝飛ぶ〟を網羅 所沢航空発祥記念館 埼玉「館」巡り
全国に10しかない空港のない都道府県のひとつである埼玉県。しかし、埼玉は日本で初めて飛行場がつくられた場所でもある。この飛行場があった場所に建てられているのが〝飛ぶ〟をテーマにした「所沢航空発祥記念館」だ。 館の前には第二次大戦中に米軍の輸送機として活躍した「C46」が鎮座。そして、入館するとヘリコプターやプロペラ機、ジェット機などの実機やエンジンなどが目に入る。日の丸がついている航空機は自衛隊からの貸与品だという。 館内はテーマごとのコーナーに分かれている。そのひとつ「飛ぶラボ」では、植物の種から昆虫まで、自然界で〝飛ぶ〟ものの仕組みを見て分かるように展示。さらに、風洞実験装置を使っての飛行機が飛べる仕組みの解説などもある。 「飛ぶあゆみ」では、昭和6年に正式採用された「九一式戦闘機」の唯一の現存機が展示されているほか、日本の宇宙開発の歩みをパネルで展示している。 このほか興味をひかれるのが、さまざまな体験コーナー。6~10分の1の重力を体験できる「スペースウォーカー」や、航空機の操縦体験ができるフライトシミュレーターなどがそろっている。これらはいずれも無料だが、土日は並ぶこともあるという。 スペースウォーカーを実際に体験してみると、あまりにも高くジャンプできるので、楽しい半分怖い半分といったところだった。 来館していた50代の女性は「初めて来たが飛行機の歴史が分かって面白い。子供も大人も楽しめると思うので誰かに勧めたい」と満足そうな様子。また、厚木市の男性(75)は「今日は1時間くらいしか見られなかったが全然時間が足りない。今度は半日くらいかけてゆっくり見てみたい」と話していた。(半田泰) 所沢航空発祥記念館 平成5年開館。展示スペースのほか大型映像館があり、映像館では30日まで太陽光での飛行の記録「プラネットパワー 近未来へとはばたく翼」などが上映されている。入館料は展示館が大人520円、小中学生100円。展示館・映像館セットは大人840円、小中学生320円。 ■アクセスガイド 所沢市並木1の13。西武新宿線航空公園駅下車徒歩約8分。駅前には第二次大戦後初の国産旅客機「YS11」が展示されている。車では関越道所沢インターチェンジから約6キロ。駐車料は2時間まで無料で、普通車は以降1時間100円。