「自立して仕事も継続してやれているところをみるとよかったと思う」「なろうとしている方々が思っている懸念事案が起きてしまった」 犯罪者の社会復帰支援担う保護司の実態
今月、滋賀県で保護司の男性を殺害したとして保護観察中の男が逮捕されました。 そもそも、保護司とは、犯罪や非行をした人の社会復帰を支えるボランティアのことです。 【写真を見る】「自立して仕事も継続してやれているところをみるとよかったと思う」「なろうとしている方々が思っている懸念事案が起きてしまった」 犯罪者の社会復帰支援担う保護司の実態 保護司は法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが、給与は支給されません。 では、どのような活動があるのかというと、主に保護観察を受けている人の立ち直りを支援する「処遇活動」。そして、地域の人たちへ理解を求める「地域活動」があります。 犯罪や非行をした人たちの社会復帰という重要な役割を担っている保護司ですが、人手不足やリスクなど様々な課題があるようです。 その実態を取材しました。 ■様々な人の更生に携わる (カーサ・グランデ 野本修二理事長) 「うちはこんなんだから、極力話しかけて、参加して」 宮崎市のNPO法人「カーサ・グランデ」。 依存症や過去に犯罪歴がある人などさまざまな理由で生活に苦しむ人たちを支援しています。 この施設の理事長、野本修二さんは、5年前から保護司としても活動していて、これまで様々な人の更生に携わってきました。 (カーサ・グランデ 野本修二理事長) 「仕事をどうしているかという状況確認をすることと、ハローワークとかの情報のやりとりをしたりとか、近況報告をしたり、そういうことを聞き取る」 保護司が向き合うのは刑務所から仮釈放された人や、保護観察付きの判決を受けた人などこれから社会復帰を目指す人たち。 野本さんのもとには全国から支援を求める声が届きます。 (カーサ・グランデ 野本修二理事長) 「これがいま実際やりとりしている受刑者との手紙。1人1人違う刑務所からくるので、京都、大阪とか、いまだったら長崎がある」 ■保護観察期間が終わって、それで終わりという保護司はまずいない 保護司として担当するのは、基本的には半年とされていますが、つながりはその後も続きます。 (カーサ・グランデ 野本修二理事長) 「保護観察期間が終わって、『はい、それで終わり、付き合いはもうしません』という保護司の先生はまずいない。ずっと、何年も、何年も『先生、先生』と来れば、また、きちんと面倒をみるし、自立して仕事も継続してやれているところをみるとよかったと思う」