EVを走りながらワイヤレス充電できる新技術が登場! アメリカの公道として初導入 1600mのテスト区間を建設予定
米ミシガン州・デトロイト市で、走行中に電気自動車(EV)をワイヤレス充電できる新技術が試験導入された。アメリカの公道としては初のワイヤレス充電道路となり、走行中、アイドリング中、駐車中を問わず、地中に埋め込んだ設備からバッテリーを遠隔充電できる。イスラエルのエレクトロン社が開発し、数年内に一般への供用を目指す。 【写真】ワイヤレス充電できる公道の様子 EVの普及が進む現在、ガソリンを給油しないバッテリー式EV(BEV)を中心に、航続距離に不安が残るケースがある。長年自動車産業の集積地であったデトロイト市としては、試験事業の導入でEVへの不安を払拭し、ワイヤレス充電道路で全米をリードしたい考えだ。
安全かつ効率的なエネルギー供給を実現
この道路はレシーバーを備えた対応車両に対し、ワイヤレスで充電を行う。路面下に埋め込まれた銅コイルが対応のEV車両に取り付けられたレシーバーに作用し、電磁誘導方式で給電を行う。スマートフォンをワイヤレス充電台に乗せておくとバッテリーに充電できるのと基本的な原理は同じだ。 もっともデトロイト市は、停車中だけでなく走行中にも充電できる「革新的なシステム」だと説明している。米ABCニュースによると、充電装置はレシーバーを装備した車両が上を通過した場合にのみ作動するため、歩行者や動物、そして自動車などに対しては無害だという。
1600mのテスト区間を建設予定
本技術はその将来性を見極めるため、今後さまざまな場所でプロジェクトが展開する計画だ。今回はデトロイト市の歴史地区であるコークタウン地区に、4分の1マイル(約400m)が完成した。 この道路は、60以上のハイテクおよびモビリティ関連のベンチャーが入居するミシガン・セントラル・ビルのラボに面しており、技術の実証試験と開発に活用される。市は今後、1マイル(約1600m)にまで拡張する計画だ。 現時点では設置場所が限定的となっているが、将来的により長い区間に導入されれば、とくにバスで有益との見方がある。米CNBCは、公共交通機関や同じルートを繰り返し運行する貨物車両に最適との見方を取り上げている。また、とくにバスとの相性がよく、停留所でワイヤレス充電を利用することで、一日を通じて走行に必要な電力を維持できる見込みだという。