「ロアリング・キティ」の株保有、ミーム株時代の懐疑論に一石投じる
(ブルームバーグ): ビデオゲーム小売りのゲームストップを巡るフィーバー再燃にミーム銘柄愛好家が引き寄せられる中、ネット上で「ロアリング・キティ」の異名を持つ投資家キース・ギル氏のファンはある瞬間を待ちわびた。同氏がビリオネアになる日だ。
こうした見方は突飛なものではなかった。ギル氏は2週間にわたって、ゲームストップ株とそのコールオプション(買う権利)の大量保有を示す画像を投稿。そのポートフォリオのピークは6日の5億5000万ドル(約870億円)強だった。それからさらに保有を増やしたが、ドルベースの保有価値は株価ととともに下振れした。
ゲームストップの株価は今回のブームが始まった最初の数日間とほぼ同じ水準にあり、米金融業界と個人トレーダーの間で新たな不安が膨らんでいる。
ゲームストップ騒動再び、ブーム仕掛け人が復帰との臆測ー株高騰
2021年のゲームストップ株急騰は空売りの概念を根底から揺るがした。ソーシャルメディアのレディット利用者の怒りを買うことになりかねないとして、業績不振企業の株安を想定した賭けの魅力が低下した。今回の現実的な問題は何が市場操作とみなされるかだ。
即座の利益確保につながると考えられるミーム投稿は、自由で公正な市場の精神に反するだろうか。ミーム株のダビデ対ゴリアテの構図は変化したか。ロアリング・キティがゴリアテだったらどうなるか。具体的にどのようにギル氏は金融サービス会社チャールズ・シュワブを上回るポジションを築いただろうか。
インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「当初のミーム株ブームは、われわれ対『彼ら』という構図」で、「彼ら」はゲームストップ株などを空売りする投資家だったとした上で、「だが『彼ら』 が誰なのか、もうよく分からない」と指摘した。
13日までに、ギル氏の証券口座のスナップショットは、以前保有していたコールオプション12万枚のポジションを解消し、ゲームストップ株を買い増したことを示唆しており、保有株は約900万株、2億6200万ドル強相当となっている。