鹿児島県警情報漏えい 本部長が会見、隠蔽疑惑を改めて否定 「被告の退職後から捜査指揮した」 他方、捜査中断あった事実も 守秘義務違反で起訴の前生活安全部長は保釈
◇ 鹿児島地裁は21日、職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴された、鹿児島県警前生活安全部長、団体職員の男(60)の保釈を認める決定をした。 弁護人は、被告が起訴されたことについて「大変残念。主張した県警の隠蔽(いんぺい)行為については公判で真相が解明されることを願っている」とコメントした。 起訴状などによると、被告は退職後の3月28日ごろ鹿児島市内で、2月14日付で自身の名義で作成された、警察官によるストーカー容疑事件の捜査経過や被害者の氏名などの個人情報が記された文書を基に、作成日と名義などの記載を除いた書面の写しを第三者に郵送し、4月3日ごろ受け取らせ、職務上知り得た秘密を漏らしたとされる。 鹿児島地検は起訴した理由を「諸般の事情を総合的に考慮して、起訴するに相当な悪質性があると判断した」と説明。別の事件で福岡市のウェブメディアへ家宅捜索したことをきっかけに容疑が浮上したとされる経緯については「捜査内容に違法な点はないと判断している」としている。
南日本新聞 | 鹿児島
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